『或る女』とアメリカ体験―有島武郎の理想と叛逆

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  • サイズ A5判/ページ数 232p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784000220699
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0095

出版社内容情報

有島武郎の代表作のひとつ『或る女』をはじめ,有島文学にはアメリカ留学体験が色濃く影響を残している.現地調査で有島の生活と思考の推移を丹念に追跡した著者が,新資料を活用しながら,〈キリスト教〉〈社会主義〉〈植民地主義〉〈移民〉〈ジェンダー〉などの問題意識を,現代的な視点から考察する野心的な試み

内容説明

有島武郎の代表作のひとつ『或る女』をはじめ、有島文学にはアメリカ留学体験が色濃く影響を残している。現地調査で有島の生活と思考の推移を丹念に追跡した著者が、新資料を活用しながら、“キリスト教”“社会主義”“植民地主義”“移民”“ジェンダー”などの問題意識を、現代的な視点から考察する野心的な試み。

目次

序説(有島武郎における“開拓地/植民地”文学―「迷路」から「カインの末裔」へ)
1 移民労働者と農場労働(有島武郎と移民労働者―“アメリカ体験”を考えるために;農場労働の体験―ニューハンプシャー州E・S・ダニエル農場 ほか)
2 宗教と思想(内村鑑三―『リビングストン伝』第四版序言の根底にあるもの;内面的深化―ボルティモアとワシントンDC ほか)
3 作品研究―「或る女のグリンプス」と『或る女』(「或る女のグリンプス」論―有島武郎の“脱男性化”と早月田鶴子への“想像的同一化”;『或る女』論(1)―神経症と強迫衝動 ほか)

著者等紹介

尾西康充[オニシヤスミツ]
1967年生。広島大学大学院教育学研究科博士課程後期修了。三重大学人文学部教授。専攻、日本近代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

澄川石狩掾

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再読。 有島のアメリカ合衆国留学中の農場体験と後年の農場開放との繫がり、フロイトの精神分析という二つの観点から論じたものであるが、後者は他の書評でも既に指摘されているように、成功したとは言えない。 札幌農学校時代の有島と森本厚吉との同性愛を窺わせる経験から論を展開するのは非常に興味深いが、「同性愛的欲望を否認しようとする抵抗、として発症するパラノイア」という一節や、留学中に森本の異性愛に気づいたことが、『或る女』の葉子の倉地への「狂おしいほどの嫉妬」の描写に繫がっているかも知れない、としているのは酷い。2020/05/10

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