アガンベン入門

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 272p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000220576
  • NDC分類 137
  • Cコード C0010

出版社内容情報

「排除を通じた包摂」によって人間の生を統治する主権権力のありようを暴き出したアガンベン。その政治哲学は、強烈なアクチュアリティをもってわれわれに迫ってくる。いまもっとも注目される思想家の初期から現在にいたる知的営為の全貌を解説。

内容説明

ベンヤミン、アーレント、フーコーらの思索をさらに突き詰め、古代から現代まで通底する主権権力のありようを暴き出したアガンベン(1942‐)の政治哲学は、強烈なアクチュアリティをもってわれわれに迫ってくる。ローマ古法にみられる神の法からも世俗の法からも排除された存在「ホモ・サケル」をキー概念に、彼はいかなる新たな思考の可能性を切り拓いたのか。いまもっとも注目される現代イタリアの思想家の知的営みの全貌を、方法論的特質、初期から現在にいたる思索の道筋、思想史的位置づけまで含めて包括的に解説する。

目次

第1章 はじめに
第2章 アガンベンの文献学的方法
第3章 哲学と文学とのあいだに開く思索の道(経験という問題(『中味のない人間』『スタンツェ』『幼児期と歴史』)
現勢態と潜勢態(『言葉と死』『ポテンシャリティーズ』))
第4章 ホモ・サケル・プロジェクト(主権のパラドクス;例外の論理;剥き出しの生(アリストテレス、フーコー、ベンヤミン)
“ホモ・サケル”
近代の「ノモス」としての収容所
主権性から脱する道
ホモ・サケル・プロジェクトの批判と文脈)
第5章 エコノミーの系譜学

著者等紹介

ゴイレン,エファ[ゴイレン,エファ][Geulen,Eva]
1962年ドイツ生まれ。現在、ボン大学教授(近現代ドイツ文学講座)。フライブルク大学やジョンズ・ホプキンズ大学などで学び、1989年に学位取得。18世紀から現在までのドイツ語圏文学、哲学、文献学に通暁する

岩崎稔[イワサキミノル]
1956年生まれ。現在、東京外国語大学教授。哲学/政治思想

大澤俊朗[オオサワトシロウ]
1976年生まれ。現在、東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程。ドイツ思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

いとう・しんご

6
関東学院図書館の書架で見かけて借りてきました。初学者向けに書かれていて、分かりやすいです。また、古代から現代まで、パウロからハイデガー、ルジャンドルまで多彩の思想との比較検討がなされていて、一粒で何度でも美味しい感じ。リクールの本でルジャンドルとアガンベンについて言及があったなぁ、と思い出したりして。翻訳もとても良い感じでした。2022/08/26

hakootoko

6
「思考とは、ありとあらゆる「考えられたもの」のなかに、純粋な思考能力を経験することである」2020/08/28

まぶたのあるいきもの

1
イタリアの哲学者アガンベン思想への入門書。 内容もいいのだけれども、訳もすばらしく読みやすい。 特にアガンベン思想の核となるホモ・サケルプロジェクトについては、多くのページが割かれている。(ホモ・サケルに至るまでの思想的生成についても、書かれています。) 例外の論理などシュミット的な概念は、通常の哲学ではあまり触れないので、分かりにくいが、この本でしっかりと解説されている。 またアガンベンに対する批判的記述もいくつかあって、、アガンベンの哲学の飛躍などを批判している。 2016/04/07

madofrapunzel

1
★★☆☆☆ アガンベンは難しいとかそういうのじゃないので、これは読む必要なし。むしろアガンベン著作のダイナミクスを減じてしまわせるほどだ。アガンベンの記述は緻密だが配慮があり、脚注もよくついている。図説もある。これを読む特別の必要性はない。2012/01/28

instead

1
他の哲学者・法学者との比較はアガンベン本人の著作からは見えにくいので、現代思想のなかでアガンベンがどのような位置にあるのかを批判的に示してくれている本書は役に立つと思う。2011/01/16

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/304288
  • ご注意事項

最近チェックした商品