内容説明
2度のピューリッツァ賞受賞に輝く米国歴史学界の大御所、またリベラル派知識人として尊敬を集める歴史家による、痛烈な現代アメリカ政治とくにブッシュ政権の外交政策批判の書。200年にわたる対外関係史を歴史的に検証することを通してアメリカ外交における伝統としての単独行動主義の経緯を明らかにし、戦争が対外関係および国内の政治バランスを変化させる契機となってきたことを指摘。イラク戦争を米国の国際的孤立を招くものとして批判し、9・11以後の大統領権限の拡大と市民的自由の侵害に警告を発する。アメリカ民主主義の根本問題として選挙制度のあり方を批判的に考察し、歴史に学ぶことの効用を説く。歴史のプリズムを通して現代アメリカの課題を浮彫りにする警世の書。
目次
第1章 単独行動主義―アメリカ外交最古の教義
第2章 イラクに盲いて―ブッシュ・ドクトリンとそれがもたらしたもの
第3章 帰ってきた帝王的大統領
第4章 戦時の愛国主義と異議申し立て
第5章 アメリカ民主主義の民主化
第6章 民主主義に未来はあるか
第7章 歴史の不可解さ
著者等紹介
シュレジンガー,Jr.,アーサー[シュレジンガー,JR.,アーサー][Schlesinger,Jr.,Arthur M.]
米国の歴史家。1917年生まれ。ハーヴァード大学卒業。同大学教授、ケネディ大統領特別補佐官、ニューヨーク市立大学大学院教授を歴任。数々のベストセラーを著し、2度のピューリッツァ賞を含む多くの賞を受賞。リベラルな立場から政治的社会的発言を続け、米国歴史学界でもっとも著名な歴史家として知られる
藤田文子[フジタフミコ]
1944年生まれ。津田塾大学英文学科卒。東京大学社会学研究科(国際関係論)修士。ニューヨーク市立大学大学院博士(歴史学)。現在、津田塾大学英文学科教授
藤田博司[フジタヒロシ]
1937年生まれ。東京外国語大学卒業。共同通信社入社後、ヴェトナム戦争時のサイゴン特派員、ニューヨーク支局長、ワシントン支局長などを経て、編集委員、論説委員、論説副委員長。1995‐2005年上智大学文学部新聞学科教授。早稲田大学大学院客員教授
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