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内容説明
本書は1995年12月、デリダによってパンタン墓地で読み上げられたレヴィナスへの弔辞と、翌年行われた集会「エマニュエル・レヴィナスへのオマージュ」の開会講演「迎え入れの言葉」を収める。レヴィナスの思想、その核心とは何か。彼の遺産を継承すべく、その独創的な哲学の可能性を極限まで押し広げ、歓待の思想として読み解く。
目次
アデュー
迎え入れの言葉
著者等紹介
デリダ,ジャック[デリダ,ジャック][Derrida,Jacques]
1930‐2004年。アルジェリア生まれ。フランスの哲学・思想家
藤本一勇[フジモトカズイサ]
1966年生まれ。早稲田大学第一文学部助教授。フランス哲学専攻
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
メルキド出版
13
「アデュー」2019/01/03
白義
5
デリダとレヴィナスの思想は似ている。互いに最高の批判者でもあり、そのテーマには常に互いに通じるものがあっただろう。これはそんなデリダのレヴィナス論の集大成であると同時に、かけがえのない一人の親友だった者への、デリダからの愛と応答の本だ。レヴィナスの他者の倫理学を、徹底的に他者により開かれながらも他者を迎え入れる歓待の思想と読み直しながら、その可能性を広げていく。とりわけ、カントとレヴィナスの平和の対置は後期デリダのオルタナティブな民主主義の姿も浮き彫りにしている。感動的な本2011/04/13
グスタフ
4
レヴィナスを読みなおすそのたびに、感謝と賞賛で目が眩むことを告白するデリダ。「歓待」「迎え入れ」をレヴィナスの倫理学の中心として読み取るデリダは、そこから政治と法権利への演繹を試みようとしている。「選び」とナショナリズムの克服の道(今の日本社会も全く同じ課題を抱えている)を、レヴィナスを継いでデリダも示そうとしているのか。勿論、そのようなことは、全くの夢物語のようにしか見えない。ただ、厳しい現実に抗い、たとえ理解を得られなくても、必死になって社会に理想を示し続けるのもソクラテス以来の哲学者の使命なのか。2011/09/04
こややし
2
1995年12月にデリダから送られたレヴィナスへの美しくも切迫した弔辞と翌年のレヴィナス・シンポジウムで行われた開会講演「迎え入れの言葉」。誰もが思うだろうレヴィナスの狂おしいまでの「善良さ」を政治・司法へと演繹することはできないとデリダは言う。しかし、それは意気阻喪のしるしではなく、読むものを励ます。迎え入れの言葉の全体が今、アクチュアルに思える。Ⅴ章のカントとレヴィナスのそれぞれの平和論に差し向けられた脱構築的読解とⅥ章の「選びとナショナリズム」を分離しようとするレヴィナスの志向の称揚が面白かった。2017/02/04
rinv0925
1
デリダはアデューから入りました。法学部の教授からは不評だった。なぜだろう。2016/08/12