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内容説明
西欧文明の源泉の一つである古代ギリシア文学。その対象は哲学・歴史・演説にも及ぶ。これら広汎な作品に懇切な解説を試み、その歴史的展開を追う。文学研究者はもちろん、西欧文明の本質を理解するためにも必読の書。
目次
第1章 叙事詩(?‐前七世紀)
第2章 抒情詩と啓蒙の時代(前七‐五世紀前半)
第3章 アッティカ時代(一)
第4章 アッティカ時代(二)
第5章 アレクサンドレイア時代(前三二〇年頃‐四〇年頃)
第6章 ローマ時代(前三〇‐後五二九年)
著者等紹介
高津春繁[コウズハルシゲ]
1908‐1973。1930年東京帝国大学言語学科卒業。1951年東京大学文学部教授、のち名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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syaori
62
黎明期からアテナイを中心とした黄金期、ヘレニズム期の拡散、ローマ帝国下へという古代ギリシアの盛衰を文学の側面から見てゆく本。中心はホメロスやサッポー等の叙事・抒情詩人達の進展を受けた悲喜劇・散文の完成期で、特に触れたばかりの悲劇の部分を興味深く読みました。ソポクレスが導入した3人目の役者をアイスキュロスが『オレステイア』に取入れ、完璧な構成に心を砕くソポクレスがエウリピデスの影響で『ピロクテテス』等では性格の発展を描くといった指摘が、三大詩人が競い合いながら悲劇を窮めていった様子が窺われ印象深かったです。2021/09/24
jozo
0
古代ギリシャ文明の誕生から東西ローマ分裂までのギリシャ文学の歴史を語った本。ギリシャ悲劇がわりと面白かったため、ギリシャ文学自体の背景やどんな作者がいるかなど知識をもう少し広げようと読んだ。そもそも古代ギリシャの歴史自体などもかなり疎かったので学びになった。 アッティカ時代までの黄金期的時代における語りにおいて色々作品の形式や歴史的流れが紐解かれ特に面白かった。ヘレニズム以降については作者数は膨大になり、個々については記述が少ないので読む方としては情報量に呆然とするところもあった。2025/04/15