出版社内容情報
本格的な市場経済社会の起点は中世にあった。多彩で地道な実証研究の成果と、新たに推計されたGDPをはじめとする農業生産・人口・物価・賃金などの各種経済指標を用いて五〇〇年にわたる中世経済の立体像を示す。
内容説明
近代化を準備したといわれる「近世」よりもさらに以前の日本社会において経済活動は活発に行われていた。―律令制と中央集権的な古代国家から、荘園制と分権的な社会に移行した「中世」において本格的な市場経済社会が起こった。そして、戦国期、持続的な成長が始まる。多彩で地道な実証研究の成果と、新たに推定されたGDPをはじめとする農業生産・人口・物価・賃金等の数値を用いて、中世経済の立体像を示す。
目次
序章(成長とマクロ経済;政府の役割 ほか)
第1章 労働と人口―人口と都市化と就業構造(問題の所在;人口史における中世 ほか)
第2章 金融―鋳造の自由と金融の自由(中世貨幣―渡来銭の時代;中世の金融)
第3章 農業と土地用益―農民の定住化と土地の証券化(中世の農業構造;中世における不動産価格の決定構造 ほか)
第4章 鉱工業―中世の諸産業(醸造業;製紙業 ほか)
第5章 商業とサービス―中世の交易(中世社会構造の特質;貿易の諸相 ほか)
巻末付録 生産・物価・所得の推定
著者等紹介
深尾京司[フカオキョウジ]
1956年生まれ。一橋大学経済研究所教授。研究分野:マクロ経済学、国際経済学、経済史
中村尚史[ナカムラナオフミ]
1966年生まれ。東京大学社会科学研究所教授。研究分野:日本経済史、日本経営史、鉄道史、地域経済史
中林真幸[ナカバヤシマサキ]
1969年生まれ。東京大学社会科学研究所教授。研究分野:経済史、経営史、取引システム、比較制度分析(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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