出版社内容情報
アジアはいま,物質的豊かさを見通す時代になったいっぽうで,冷戦構造が残り,脱植民地化の課題を抱え,ナショナリズムが国民感情を刺激し,歴史認識が対立の火種となっている.これまでの抵抗と抗争のための自国史の枠組みを克服し,平和と和解のための共通史を目指し,歴史認識問題に取り組む際の学術的視座を提示する.
内容説明
冷戦と脱植民地化が交錯する「アジア諸戦争の時代」は、アメリカ・サイゴン政権と“北”ベトナム・解放戦線が対決したベトナム戦争で、その最終局面を迎えた。一九六五年には日韓基本条約の締結、九・三〇事件によるスカルノ体制の崩壊、六七年にはASEANが発足した。一方、文化大革命による政治的混乱と深刻化する中ソ対立を抱えた中国はアメリカとの和解を成立させる。75年、ベトナム戦争は終結したが、すでに、東アジアは構造的な変化を遂げつつあった。
目次
通史 ベトナム戦争の時代―一九六〇‐一九七五年
通空間論題(アメリカニゼーション―日本と沖縄、そしてアジアへ;開発体制論;ポスト・ベトナム戦争期におけるアジア連帯運動―「内なるアジア」と「アジアの中の日本」の間で)
個別史/地域史(冷戦と東アジア;ベトナム戦争の時代とアジア;「ベトナム後」に向けて)
著者等紹介
和田春樹[ワダハルキ]
1938年生。東京大学名誉教授。ロシア史、現代朝鮮研究
後藤乾一[ゴトウケンイチ]
1943年生。早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授。東南アジア近現代史、日本‐アジア関係論
木畑洋一[キバタヨウイチ]
1946年生。成城大学法学部教授。イギリス現代史、国際関係史
山室信一[ヤマムロシンイチ]
1951年生。京都大学人文科学研究所教授。近代日本政治史、法政思想連鎖史
趙景達[チョキョンダル]
1954年生。千葉大学文学部教授。朝鮮近現代思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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