出版社内容情報
太陽のまわりは単なる真空ではない.マッハ10にも達する超音速プラズマ風が吹き抜け,太陽からの磁力線が乱流のように動きまわる世界である.われわれの身近な宇宙「太陽圏」のダイナミックなありさまと研究の現状を解説する.
内容説明
太陽のまわりはたんなる真空ではない。マッハ10以上にも達する超音速プラズマ風が衝撃波を形成し、太陽からの磁力線が乱流のように屈曲・進展を繰り返すダイナミックな世界である。探査機によって観測可能な、いわばもっとも手近な宇宙「太陽圏」は、宇宙空間での物理過程を知るうえで重要な手がかりともなる。最新の太陽圏像とその背後にある興味深い物理を紹介する。
目次
1 太陽圏プラズマの世界(宇宙線の太陽モジュレーション―太陽圏研究の発祥;可視化のインパクト ほか)
2 無衝突プラズマにおける相互作用の物理(Vlasov方程式系;Vlasov方程式系の線形化 ほか)
3 太陽圏と高エネルギー粒子(移流拡散方程式;宇宙線の強度勾配 ほか)
4 磁気リコネクションの物理(磁力線の凍結;磁力線凍結定理の破綻と磁気リコネクションの発生 ほか)
5 太陽圏研究の将来(太陽圏外縁へ;太陽近傍へ ほか)
著者等紹介
寺沢敏夫[テラサワトシオ]
1951年生まれ。1973年京都大学理学部卒業。現在、東京大学大学院理学系研究科教授。専門は、宇宙プラズマ物理学
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