出版社内容情報
来世往生の思想は,現世のさまざまな苦にあえぐ人びとの心をとらえ,仏にまみえることを希求する仏教者を力づけた.来世願望の姿を平安期の往生伝などにうかがい,僧侶・文人の来世観・他界観を遺された文献にたどる.
内容説明
輪廻思想の日本的変容は目覚ましい。日本人は来世に何を求め、対するに現世をどう生きたのか。死と密着する来世観、来世願望の思想を、古代以来の僧俗の言行に探る。
目次
第1部 来世と他界
第2部 輪廻転生(浜松中納言物語―輪廻転生と夢;宝物集とその周辺)
第3部 来世願望(往生伝;栄花物語;発心集―長明、川、西方など;撰集抄―現世と来世をつなぐもの)
第4部 地獄と極楽(往生要集)
第5部 来世観・他界観(明恵の釈迦信仰;一遍聖絵;宣長・秋成の他界観)
第6部 現代の来世観



