出版社内容情報
ソフトウェアの作成は人間的な作業で,信頼性や生産性の点でいまだに手工業の域にある.こうした現状をふまえ,ソフトウェア作成の方法を示すとともに,その理論と知識を整理し,新しい学問体系として提示する.
内容説明
計算機の持つ万能なシミュレーション能力を十分に活用するために、対象領域をいかにモデル化し、ソフトウェアとして表現するか、本書では、そのために最も有効な概念としてオブジェクト指向の考え方を導入する。また、型、型多相、分散システム、仮想状態/時間、並列オブジェクトシステムなどの概念を詳しく説明し、オブジェクト指向に基づくソフトウェア設計にとって必須の基本概念と適用について明快に解説する。
目次
1 ソフトウェアとモデル化―広義シミュレーション
2 モデル化とオブジェクト指向
3 型とオブジェクト指向―型システムの初歩
4 型多相のための型システム
5 部分型のための型システム
6 データ抽象のための型システム
7 継承の意味論
8 分散システムのモデル化に向けて
9 分散システムの並列オブジェクト指向表現
10 分散システムにおける抽象時間モデル
11 分散システムにおける仮想状態モデル
12 分散システムにおける仮想時間モデル
13 仮想時間方式に基づく分散離散事象シミュレーション