内容説明
ロシアは、社会主義計画体制から資本主義市場経済へと移行する過程で、先進諸国に匹敵する株式会社制度を導入した。本書は、法と経済学や企業金融論の視点から、同国株式会社の法制度体系を詳らかにするとともに、二〇〇五年および二〇〇九年にロシア全土で実施した独自企業調査に基づいて、その組織と経営の実体を、ミクロ実証経済学的に解明する。
目次
序章 ロシア企業統治研究の眺望―残された課題と本書の狙い及び構成
第1章 ロシア企業の法制構造―株式会社制度の法と経済学的考察
第2章 企業形態―開放株式会社と閉鎖株式会社の比較制度分析
第3章 業務執行機関―合議執行機関編成の経済論理
第4章 経営監督機関―取締役会の組織構成とその決定要因
第5章 監査体制―監査委員会と会計監査人の独立性と専門性
終章 企業統治と組織淘汰―世界金融危機下のロシア企業
補論 日露共同企業調査の概要
著者等紹介
岩崎一郎[イワサキイチロウ]
1966年生まれ。2000年一橋大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得、経済学博士(一橋大学)。00年一橋大学大学院経済学研究科助手、01年ロシア東欧貿易会ロシア東欧経済研究所非常勤研究員、02年一橋大学経済研究所講師、04年同助教授、07年同准教授を経て、09年より同教授。専攻は、移行経済論、比較経済論、企業金融論、組織経済学、法と経済学。主な著書・論文に、『比較経済分析―市場経済化と国家の役割』ミネルヴァ書房、2010年(共著、第32回アジア経済研究所発展途上国研究奨励賞受賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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