出版社内容情報
深刻化する「待機児童問題」解消を旗印に掲げ、厚生労働省が提起した「新たな保育の仕組み」。保育事業への新規参入促進のための最低基準緩和などの「制度改革」の背後に隠れる「保育への市場原理の導入」の問題点を指摘する。
内容説明
深刻化する「待機児童問題」解消を旗印に、厚生労働省が提起した「新たな保育の仕組み」。保護者と保育園との直接契約制度の導入や、保育事業への株式会社の新規参入を促進するための最低基準緩和など、「新たな保育の仕組み」で打ち出された「制度改革」の内実を検証し、その背後に隠れる「公的保育への市場原理の導入」がはらむ問題点を指摘する。
目次
1 子どもの育ちと保育園
2 現在の保育制度の基本
3 規制改革にさらされる保育制度
4 「新たな保育の仕組み」
5 保護者、子ども、職員からみた「新たな保育の仕組み」の問題
著者等紹介
近藤幹生[コンドウミキオ]
1953年東京生まれ。信州大学教育学部卒業、聖徳大学大学院博士課程修了。博士(児童学)。現在、白梅学園短期大学保育科准教授(「保育内容総論」「言葉」「保育者論」等を担当)。1978‐2004年、長野県・山梨県・千葉県で私立保育園保育士・園長をつとめる。2004‐07年、長野県短期大学幼児教育学科専任講師・同短大付属幼稚園園長兼務。日本保育学会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ニョンブーチョッパー
2
○2011/12/10
ニョンブーチョッパー
1
○2011/02/04
やし
0
「待機児童」の問題とその「解決法」をめぐる考察からなる薄い本ですが、読み手の立場で印象は変わるかも。結局は、保育の質との兼ね合い、(財政難の時代に)財政負担か市場化か、という点に集約されます。保育園に入るのに苦労した立場で読めば(私)著者の主張は絵に書いた餅に見えますし、保育とは何かという原点から出発すれば著者の主張が腑に落ちる点もあるでしょう。でも現場の視点は行動の具体性はあるのに財政など全体視点に欠け、結果として既得権益維持に見えるのが惜しいところかも。2010/05/07