岩波ブックレット
データブック 貧困

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  • サイズ A5判/ページ数 79p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784000094306
  • NDC分類 368.2
  • Cコード C0336

内容説明

世界の、アジアの、そして日本の、貧困の実態はどのようなものなのか。激変する世界状況の下で貧困はいかにしてつくられているのか。日本に生きるわたしたちに向けて、世界の「貧困」事情をわかりやすく解説する。

目次

第1章 現代の貧困とは何か?
第2章 太陽のあたる場所
第3章 貧困はいかにつくられるか―国際分業と国民不平等のメカニズム
第4章 世界的貧困の動態
第5章 豊かさと貧しさ
第6章 援助協力の役割
第7章 豊かな国の貧困
第8章 人みな生きる権利をもつ

著者等紹介

西川潤[ニシカワジュン]
早稲田大学名誉教授。専門は国際経済学。1936年、台湾台北市生まれ。1959年、早稲田大学第一政治経済学部卒業。1966年、パリ大学高等学術研究院卒業。1968年、早稲田大学大学院経済学研究科博士課程修了。早稲田大学政治経済学部教授等を経て現職。これまで、国連研修所(ニューヨーク)、ラサール大学(マニラ)、パリ第一大学、フランス社会科学高等研究院、北京大学、チュラロンコーン大学(タイ)、パリ国立政治学院、ポートランド州立大学等の客員教授を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

扉のこちら側

33
初読。「女性は男性より長命であるだけに、高齢化社会における福祉政策の遅れを一手にひき受ける傾向にある」薄々そんな感じはしていたのだが、事実、高齢女性の年金受給額の平均は、男性のそれよりも8万円も低いとのこと。2013/05/11

momo

5
現在の日本の社会を考える上で、貧困の問題は避けて通れない問題です。本書は現代の貧困はどのような形で現れているのか、貧困を生み出している構造的な原因とは何かをわかりやすく説明しています。どの章にもデータが掲載されていてそれを読み解くのも勉強になります。2008年6月発行なので少し前の資料になりますが、8年経って日本の貧困の状況が全く改善されていないことに気付かされます。すべての人にとって真に豊かな社会とはどのような社会であるのかを考えるときに、本書を読んでおくことが一つの力になると考えて精読しています。2016/06/19

すのう@中四国読メの会コミュ参加中

5
貧困とは、単に経済的なものだけではなく、社会的なものも含まれるのだと知った。そして、生存権はたんに「最低限度」を保証する段階からはるかに抜け出て、「相当な生活水準」並びに生活条件の「不断の改善」への権利として定義されている。現在、マスコミはこぞって生活保護の切り下げを煽り、国民の一部もそれを支持しているようだが、この考えを知っているのだろうか。感情だけで物を言い、根本的な所を忘れていないだろうか。疑問に感じた。2012/06/12

bittersweet symphony

1
国際経済の枠組みの中で、システム的に貧困が生産されていく状況を概論的に扱っているものです。人権に留意することが貧困問題の解決、ひいては経済システムの改善に繋がるという願望的見解も語られていますが、国民国家の枠組み内で外部を経済的担保として人権・生存権を確保する北欧福祉国家的システムが世界規模では一般化できない性質である以上、それに変わるシステムがありうるかどうかについての疑問を払拭できない私のような人間からすると、やはり非常に楽観的すぎる気がしています。2008/06/19

yu01

1
"現代の貧困問題とは、豊かさの反面でそれを支える貧しさを絶えず再生産しつつ自らを拡大していく経済システムを直視し、このメカニズムを解明していくことにほかならない" 18~20世紀前半の帝国主義/植民地支配、1964年に南北問題の「発見」、冷戦構造下での「援助」、1990年からのUNDPの「人間開発」、2000年からのMDGsと見ていくと、"地域主体"とか"内発的発展"とか”コミュニティ・文化の再生”ってテーマはほんと最近の話なんだな、と確認した。よくまとまってる本だと思う。2012/10/13

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