出版社内容情報
原爆投下直後の広島を描いた「原爆の絵」.地獄を生き延びた人たちは,悲惨な死を遂げた死者たちの「生」を取り戻そうと絵筆をとった.絵が描かれてから30年経った今,作者たちの声を聴き,込められた想いを受け止める.
内容説明
被爆から五九年、「原爆の絵」が描かれてからも三〇年が経つ。今生存している絵の作者は二〇〇人にも満たない。三年前の夏から現在までに、著者が話を聴いた作者は五〇人になる。本書では、聴きとりをもとにして、作者たちが絵に込めた想いを中心に描きながら、被爆体験を持たない私たちが、その想いをどう受け継いでいけばよいのかを探る。
目次
1 描ききれない記憶―“日常”と“地獄”の間で
2 奪われた命に寄り添う
3 沈黙に耳を澄まして―残された想いを受けとる
エピローグ―旅の途上で
著者等紹介
直野章子[ナオノアキコ]
兵庫県西宮市出身。現在、日本学術振興会特別研究員。高校卒業後、米アメリカン大学に入学。大学卒業後、米学生が広島で原爆について学ぶ特別講座を同大学に創設。スミソニアン博物館での原爆展論争を受け、被爆五〇年の夏、アメリカン大で原爆展を開催。カリフォルニア大学大学院に進学し、2002年6月、博士号(社会学)取得。その後半年間、ソウルの高麗大学に語学留学。2003年から広島平和記念資料館資料調査研究委員を務める。著書に『ヒロシマ・アメリカ―原爆展をめぐって』(第三回平和・共同ジャーナリスト基金賞奨励賞受賞)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
33
初読。2014年95冊め。NHK広島放送局の呼び掛けで集まった市民が描いた原爆の絵。2014/02/15
Noboru
4
なんと表現していいのか分かりません。原爆により想像を絶する地獄を味わった方々が、心の傷を再びえぐる思いで書かれたいくつもの絵。その一部にスポットを当てて書かれた1冊でした。被爆体験をされた方々の思いはとても推し量る事のできるものではありませんが、戦争と平和について考えるきっかけとなる1冊です。2020/08/24
がんぞ
2
カープの国民栄誉賞衣笠は混血児、第1号の王貞治も日本人ではない。日本に人種差別はないが、米国にはあった。それが大東亜戦争の原因であった、黄色人種が植民地を持つことは許せないと見たことが。原爆投下までは撃墜され落下傘で脱出した乗員は捕虜として保護されたが。以降は撲殺された。生存者はのちに『国際法』で裁かれたが。「込められた思い」をサヨクは天皇制の害と見る、レーニン・スターリン・毛沢東・ポルポト、各handred millions超の屍骸は物語る共産主義が妄想と。日本人が話しあうと「平和って良いね」で思考停止2016/05/15