出版社内容情報
教育基本法の見直し・奉仕活動の必要性など,大きな関心を呼び,今後の政策に反映必至の重大な報告をまとめた「教育改革国民会議」.委員長として参加した教育学者が提案内容を検証し,真に必要な教育改革とは何かを訴える.
目次
序章 教育改革国民会議は何を提起したか
1章 審議の展開と最終報告の概要
2章 教育の武装解除か再武装化か
3章 国民会議の提案とその功罪
終章 共生的市民社会の教育へ―今後の教育改革の指針
著者等紹介
藤田英典[フジタヒデノリ]
1944年生まれ。石川県出身。早稲田大学政治経済学部卒。スタンフォード大学教育系大学院修了(Ph.D.)。現在、東京大学教授。教育社会学。世界数十ヵ国の学校を訪れ、比較社会学的検討に基づいて日本の教育改革を構想してきた。今回の国民会議には「余計な改革をしない」「教育基盤・実践基盤の充実を図る」を念頭に参加。著書に『子ども・学校・社会』(東京大学出版会)、『文化と社会』(共著、有信堂)、『教育社会学』(共著、放送大学教育振興会)、『教育学入門』(共著、岩波書店)、『教育改革』(岩波新書)、『市民社会と教育』(世織書房)など
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感想・レビュー
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katoyann
19
2000年頃の出版。タイトル通り小渕内閣総理大臣の諮問機関だった教育改革国民会議の問題点を列挙している。大まかには能力主義的教育再編と愛国心・道徳教育の梃入れを問題としている。特に学校選択制については、義務教育の段階において公立学校間の序列化を煽ることにより、ますます進学競争が加熱化し、早期の段階で子どもの選別が始まることを危惧している。また、学習塾による大学の偏差値格付け評価を後押しするような制度改革の弊害を指摘している。筆者は市民共生社会を構想したが、結果は新自由主義に侵食された社会になりそうだ。2022/06/02
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