内容説明
ジャズさながらの臨場感と即興性に溢れるマティス晩年の傑作版画集。
目次
マティス:切り紙絵
図版
図版一覧
アンリ・マティス:覚え書
年譜
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
320
1947年、マティス74歳の出版。腸疾患の手術で体力の落ちていたマティスが、それでも創作意欲を燃やして切り絵の技法で作り上げた一連の作品集。自由闊達な発想で描かれ"JAZZ"と銘打たれた。全20点のリトグラフを収録。オリジナルは270部限定であったらしい。表紙の「イカロス」がそうであるように、抽象だが、題材を含めて具象の面影を残している。また、物語的な要素を多く内包するようだ。一方、"Monsieur Loyal"(ドゴールのこと)のように茶目っ気たっぷりの楽しい作品もある。2024/09/30
いがらし
7
『ジャズ』は1974年9月に出版された。マティスは「素描」と「絵画」の融合に成功したばかりでなく、それに「彫刻」の要素を加え、総合体を実現させた。本書にも収録されている覚え書によると、それは「ハサミで素描する」という形態である。どの切り紙絵もジャズのような型にハマらない即効性の自由があって、芸術のひとつの到達点を見た気がした。お気に入りは本書の表紙になっている《イカロス》、その他だと《運命》が良かった。2023/06/24
みけのすずね
7
日曜美術館で、マティスが晩年取り組んだ切り絵紙の画集があると知った。終盤、海藻のようなモチーフがひつこく出てきて何ぞやと思ったら、珊瑚だったんですね。タヒチへの旅で、珊瑚礁の光と色彩に圧倒されて、数週間にもわたって制作することができなくなったそう。曲線やはっきりした色使いを楽しんでいるのがわかる。「顔の性格は素描においては、さまざまな顔の比率ではなく、むしろ顔が映し出す精神的な光によって決まる」「ハサミで素描する」「私の曲線は狂っていない」2019/02/08
m
6
独特の色使いと構図。黒を効果的に使っている。2020/06/14
いちの
5
ページを何度も行き来しながら楽しみました。カラフルで生き生きしていて、好きです。2023/05/21