ユージン・スミス写真集 - 1934-1975

ユージン・スミス写真集 - 1934-1975

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  • サイズ B4判/ページ数 352p/高さ 31cm
  • 商品コード 9784000082105
  • NDC分類 748
  • Cコード C0072

出版社内容情報

ヒューマニズムに基づく確固たる姿勢から数多くのすぐれた作品を発表し,グラフジャーナリズム全盛時代を創った報道写真の集大成.太平洋戦争,高度成長期の巨大産業,公害に苦しむ水俣など,日本の貴重な記録も収める.

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

373
ジョニー・デップが演じて、俄かに脚光をあびることになった写真家ユージン・スミスの"MINAMATA"だが、本書は1934年~1975年にわたる、そのスミスの全軌跡を追ったもの。もちろん、篇中の一部には'70年代前半に撮られた水俣の写真を含んでいる。さて、最初期の写真は80年前のものなのだが、これを近過去と見るか、遥かな昔と見るかで印象は随分違ってきそうだ。私には比較的近い過去に見えるので、あの頃のアメリカやイギリスはこんなだったのかと、なんだか望郷のような想いを抱くのである。それは幻想の望郷なのだが。2021/10/20

やまやま

12
写真の中でも人物ポートレートは観る側も受容しやすく対象に共感を持ちやすいのだろうと思い、月並みな賞賛となるが、人間の生の局面を非常によく捉えていると感じた。戦地は生の極限状況なので、危険さをよく伝えている一方で、多く収載されている人々の日常生活の写真から、変な比喩ではあるが、にがりが旨味にうまく働くような味わいを得た。4本のライフ誌での特集が紹介されているが、シュヴァイツァー「慈悲の人」はユージンとしては偽善を感じていたという解説がある。また「スペインの村」が印象に強く、モノクロだけに想像を広げる。2021/10/30

Koki Miyachi

8
間違いなく二十世紀を代表する写真家。記録者ではなく表現者、芸術家としての自分を貫いた。「私は…、その現象を蒸留して、あるエッセンスを抽出しようとする。ただし、そのエッセンスは依然として現実に見合ったものだが、明確化するために誇張も補強もなされる…」自分が感じたままの写真にするためには、オリジナルの加工や画像処理も厭わない。目撃者としての写真家ではなく、表現者としての写真家としての一生がここに凝縮されている。代表作「水俣」も見てみなければ。2013/06/01

ケニオミ

6
先日「ユージン・スミス 水俣に捧げた写真家の1100日」という本を読み、彼がどのような写真を撮ってきたのか知るために手にしました。「水俣に捧げた写真家」で指摘されていましたが、事前に被写体となる人との関係を築くことをする人だったようで、写真を撮られている人の表情が自然です。本書では、彼が写真の加工をしていたことが指摘されています。その点は賛否両論あるでしょうね。僕も違和感を覚えました。それでは「水俣に捧げた写真家」でラブレターのような言葉を捧げた実子ちゃんの写真を見るために「MINAMATA」へ進みます。2013/06/22

Eu

2
2021年にあっては《患者を亡くしたセリアーニ医師》(p.78)、《中央公害審議会の委員たち》(p.308)が刺さる。医師の疲れ果てて抜け殻になった顔、委員たちの狡い顔、去年から何度も見ている顔と同じ顔をしている。2021/05/23

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