出版社内容情報
ドキュメンタリー写真家東松照明が「戦後日本」に取材した作品群から、文化人類学者今福龍太が、ある抽象普遍性をもつものを選びとり、写真とことばの交響を試みるユニークな作品集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tamaph
2
詩人としての記憶と、自伝作家としての記憶。人はその両方を抱えて生きる生き物。社会的自己と個人的自己。泣きそうなほど心が締め付けられ、小さな子供の頃であればそのまま泣いてしまったり立ち止まったりしてきたことも、今はもうそうもいかない。見届けたものと、そのことによって自分の中で起こる現象そのものさえも、平行線上で俯瞰しながら、淡々と進んでいく、ような、日々。最後の瞬間は、どのように訪れるのか。私なら、何曜日だって構わない。2016/07/13
deerglove
0
今福龍太さんのナイーブな文章より、東松照明後記のほうが印象深かった。曰く「現地入りする前にイメージした沖縄の像は、四半世紀も米軍政下にあるのだから日本以上にアメリカ化しているに違いない、というものだった。ところが、沖縄のムラやシマには、日本みたいにアメリカニゼーションが染み込んでいないのである。私は沖縄の独自性と強度に驚嘆した。」2013/04/14
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