内容説明
「島の上にだけ雲があるのはなぜだろう?」「海辺では、なぜ昼と夜とで風向きが変わるのか?」―風景のなかでふと、そんな疑問を抱くことはありませんか?そこから雲と風を読む旅は始まります。日本人は雲の微妙な違いから季節のうつろいを読み取り、虫が羽を動かすことで起こるかすかな風さえも識別する繊細な感覚を持っていました。雲と風にまつわる文学作品やさまざまなエピソードを織り交ぜながら、生活の中の風から地球規模の雲の動きまで、身近でありかつ雄大な雲と風の読み方を紹介します。
目次
1 高い雲と低い雲
2 層状の雲と積雲状の雲
3 小規模な風系
4 大規模な風系
5 衛星で読む雲と風
6 熱帯の風と雲
7 偏西風帯の雲
雲と風のロマン
著者等紹介
中村和郎[ナカムラカズオ]
1934年生まれ。毎日、窓の外の気温を測って記録していたことから、戦後、ラジオの気象通報に興味を覚えた。一時それもすっかり忘れていたが、大学3年のときに地理学科で気候学を専攻するようになる。1958年東京大学理学部卒業。1959年ウィスコンシン大学大学院に留学。トレワルサ教授の新著『世界の問題気候』と、ブライソン教授の動気候学や若いブッツァー先生の先史地理学の講義にひかれた。1961年以降数回にわたり、東京都立大学の助手として同大学の海外研究グループのメンバーに加えられてケニアとカメルーンに行く。熱帯気候にも関心をもつとともに、地理学方法論と地図に目が向いてくる。1984年から2005年まで駒澤大学文学部教授。日本教育大学院大学客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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