内容説明
正則関数のなす空間の中でもヒルベルト空間に的を絞り、基本例としてのハーディ空間やバーグマン空間、ディリクレ空間を総合的観点から描いた解説書。とりわけ典型的な例を持ち応用の幅も広い、一般的な再生核を持つヒルベルト空間について、ほぼ全編にわたって証明を付して解説する。また、空間の構造や性質を調べるために有用な種々の線形作用素、たとえば工学的に応用の幅が広いテープリッツ作用素やハンケル作用素についても詳しく論じる。さらに、定常確率過程の予測問題や補間問題の研究など、応用にも触れる。
目次
第1部 Hilbert空間(Hilbert空間;正則関数のなす空間;前方シフト不変部分空間;後方シフト不変部分空間;Toeplitz作用素;Hankel作用素;多項式近似と予測問題;重ね付きノルム不等式;補間問題)
第2部 Banach空間(Banach空間;Hardy空間;Bergman空間、Bloch空間、Dirichlet空間など)
著者等紹介
中路貴彦[ナカジタカヒコ]
1944年生まれ。1973年北海道大学大学院理学研究科博士課程中退。現在、北星学園大学経済学部教授、北海道大学名誉教授。専攻は関数解析学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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