内容説明
ギンツブルクとランダウは、1950年にマクロな超伝導現象を記述する理論を提唱した。そのなかで、超伝導物質の中の電子や磁場の状態を、エネルギー汎関数を通じモデル方程式の解として特徴づけた。このとき、秩序パラメータの空間変化に関する方程式として導出されたのがギンツブルク‐ランダウ方程式である。ギンツブルク‐ランダウ方程式は、非線形でありながら変分構造や対称性などのよい性質を併せ持っているため、解の精密な解析が可能な場合がある。この方程式について、物理的背景を考慮しながら、偏微分方程式としての数学研究を紹介。とくに解の性質や構造、領域の位相や形状と安定性などに焦点を当てて解説する。
目次
1 序
2 1次元空間上のGinzburg‐Landau方程式とその解の構造
3 ノイマン境界条件をもつGinzburg‐Landau方程式
4 空間2次元領域における回転対称性をもつ渦糸解
5 第1種境界条件をもつGinzburg‐Landau方程式
6 渦糸の運動
7 超伝導におけるGinzburg‐Landauモデル1
8 超伝導におけるGinzburg‐Landauモデル2
付録 いくつかの補足と準備
著者等紹介
神保秀一[ジンボシュウイチ]
1958年生まれ。1987年東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。現在、北海道大学大学院理学研究院教授。専攻は応用解析学
森田善久[モリタヨシヒサ]
1955年生まれ。1987年京都大学大学院理学研究科博士課程修了。現在、龍谷大学理工学部数理情報学科教授。専攻は応用解析学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
-
- 和書
- バナナのぼうけん