内容説明
科学が生まれ進化するには何が必要なのか。エジプトや中国をはじめ巨大文明を生んだ地域も、哲学で名高い古代ギリシアにおいても科学を創造し発展させることはできなかったのである。なぜなのか。歴史イベントの羅列ではなく、歴史を動的に変える要因を抉り出すべく言語や宗教といったさまざまな視点から考察する。そもそも科学とは何か、科学と技術を区別するものは何かという根本を問う。
目次
1 進化する「知識としての科学」
2 「わかる」から「科学」へ進化する条件
3 言葉の世界に自然を写す=科学
4 言語世界を実在世界に写す=技術―科学と共進化する技術
5 整合的世界に束縛される科学
6 科学を生み進化させる社会
著者等紹介
市川惇信[イチカワアツノブ]
1930年生まれ。1958年東京工業大学大学院理工学研究科博士課程修了。工学博士。東京工業大学助手、教授を経て、91年退任。92‐94年国立環境研究所長。94‐01年人事院人事官。現在、東京工業大学名誉教授。著書「ブレークスルーのために」(オーム社、1996)および「暴走する科学技術文明」(岩波書店、2000)は日刊工業新聞技術・科学図書文化賞優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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calaf
7
なるほど、多神教の世界は矛盾を許す世界。それゆえに、無矛盾の世界である科学が進化する力は弱いという事か...2012/06/28
minochan
3
科学は文化。科学は簡単に国間を移動できない。移動できるのはあくまで技術だけ。本書の一章から五章は長い総説。六章では著者の熱い論が展開されて、一番面白い箇所。なぜ日本で科学が生まれなかったか、をここまで綿密に語っている本は初めて出会った。2022/11/09
さんちゃん
1
科学の進化について、言葉、文字、哲学、宗教、技術などをキーワードに分析。 仮説思考を回すというのは、根源的な手法。 2013/10/24
Ishida the Brain Damaged
1
モデル提示はよいが、それの適合を示すため例示が言い放し俗流文明論で残念。関連つぶやき→ http://bit.ly/uGlDZM http://bit.ly/rU96dp http://bit.ly/w3EG1B http://bit.ly/vKoY1N http://bit.ly/sp5FOm http://bit.ly/wfWU9z http://bit.ly/Aepuuw http://bit.ly/AocHNf http://bit.ly/wYGN8W http://bit.ly/yv6Ybl2012/02/05