岩波科学ライブラリー
新薬スタチンの発見―コレステロールに挑む

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  • サイズ B6判/ページ数 113p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000074636
  • NDC分類 493.2
  • Cコード C0347

内容説明

青カビからつくられた奇跡の薬、第二のペニシリンとも呼ばれるスタチン。動脈硬化や心臓病の特効薬として毎日世界中で三千万人以上の人が服用する。いまや薬剤の年間売上ベストテンの上位をスタチン関連が占める。発見したものの再三開発中止に追い込まれ、土壇場でついに認められるという波乱の道のりを発見者自らが語る。

目次

1 新薬の種を求めて(コレステロールと冠動脈疾患;動脈硬化の原因 ほか)
2 動物実験で二度の危機(ラットのコレステロールが下がらない;自らラットを飼う ほか)
3 重症患者には安全でよく効いたのに(再復活へ;臨床試験は順調であった ほか)
4 強力なライバルの出現(幻のプロポーズ;世界最大手メルクのねらい ほか)
5 大規模臨床試験から見えてきたこと(コレステロール値を下げて心臓発作が減ったのか;大規模臨床試験 ほか)

著者等紹介

遠藤章[エンドウアキラ]
1933年秋田県の山村に生まれ、少年時代からカビとキノコに親しむ。大学では青カビからペニシリンを発見したアレキサンダー・フレミングの伝記に感銘を受け、以来現在までの約50年間、カビを主とする微生物の医薬と食品への応用研究に従事。1957年東北大学農学部卒業。三共(株)入社。1966年農学博士。アルバート・アインシュタイン医科大学留学、三共(株)発酵研究所主任研究員、同研究室長、東京農工大学農学部助教授、同教授を経て、1997年より同大学名誉教授、(株)バイオファーム研究所代表取締役所長。農芸化学賞、ウィーランド賞(独)、東レ科学技術賞、アルパート賞(米)、日本国際賞、マスリー賞(米)などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

C-biscuit

9
古本購入。ずっと積読状態になっていたが、このステイホームの時期にようやく読めた。コレステロール値が健康診断で引っかかり始めた。実際は薬のお世話にならずに下げれたが、この薬の効果は絶大と感じるのと、将来必ずお世話になるのだと思う。このコロナ渦の最中、新薬の開発に注目が集まっている。実際は他の目的の薬の転用であるが、この本でも、様々な経緯を経て世に出た内容が詳しく書かれている。細かいことろはわからないが、一つの薬ができるまで時間のかかるのはよくわかった。一つ一つの薬にそれぞれの物語があるのだろうと感じる。2020/05/02

K-dream

7
あまり一般的には知られていない薬の開発にかんする詳細なはなし.結構,紆余曲折があったみたいで,どんなすぐれた薬でも,世にだすまでに実にいろんな問題をクリアする必要があることがわかる.2024/01/06

takao

1
ふむ2020/10/04

calaf

1
悪玉LDLコレステロール低下剤スタチンの発見者が自ら、その発見と効果検証の結果を解説したもの。解説というよりも報告書に近い気もするけど。薬の開発って、時間がかかるという話は聞いた事があるけど、こんなにかかるんだ...という印象は持てました (汗)2013/03/21

zeroset

1
単なる研究過程ではなく、企業間や企業・研究者間の生々しい駆け引きにも触れてあって、興味深い。抑えた筆致ながらも、ノーベル賞や正当な報酬を得ることが出来なかった悔しさが行間に感じられ、何とも言えない気持ちになったが、研究への情熱を語るエピローグですくわれた心地がした。  現在実際にスタチン系薬剤を使っている身としては、第5章「大規模臨床試験から見えてきたこと」が参考になる。2012/02/11

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