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ワイド版岩波文庫
小僧の神様 他十篇

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  • サイズ B6判/ページ数 238p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000073103
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0393

内容説明

志賀直哉は、他人の文章を褒める時「目に見えるようだ」と評したという。作者が見た、屋台のすし屋に小僧が入って来て一度持ったすしを価を言われて置いて出て行った、という情景から生まれた表題作のほか、我孫子時代の作品を中心に11篇を収めた、作者自選の短篇集。

著者等紹介

志賀直哉[シガナオヤ]
一八八三(明治一六)年二月二〇日、宮城県石巻に、第一銀行石巻支店勤務志賀直温の次男として生まれる。一九〇一(明治三四)年初めて角筈の内村鑑三の第二回夏期講談会に出席、以後七年間その教えに接する。一九〇六年(明治三九)年九月、東京帝国大学文科大学英文科に入学。一九〇八(明治四一)年武者小路実篤・木下利玄・正親町公和と回覧雑誌『暴矢』(のち『望野』)を始め、「網走まで」「速夫の妹」などを書く。この年、内村鑑三の許を去る。一九一〇(明治四三)年四月、武者小路実篤・里見〓(とん)・有島武郎らと同人雑誌『白樺』を創刊。一九一三(大正二)年一月、第一短篇集『留女』を刊行。一九四九(昭和二四)年一一月、文化勲章受章。一九七一(昭和四六)年一〇月二一日、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さくら咲く

26
新聞のお勧めコーナーで見かけて図書本を。ノスタルジーを感じる短編集。箸休めと言ったら失礼だが読後感良し。作家さんも当時はのんびりゆったり筆をとっていたのだろうか。2022/10/06

みけのすずね

9
「小僧の神様」善意が後味のわるいものだなんて、仕様がないもんだ。人間なんて、神様になりきれるものじゃないってわかる。「清兵衛と瓢箪」瓢箪がこわされ取り上げられるまではいいけれど、絵まで破られたらこの子は一体どうなるかなあ。「流行感冒」主人公のように疑り深いと、欠点ばかりが目について、なかなか相手といいところ(娘を愛する気持ち)を共有できないのだね。2015/10/17

ゆきなり

5
志賀直哉の作品は何度か読み返したものもあるけれど、やっぱり『城の崎にて』『小僧の神様』が一番好きだなと思う。『流行感冒』もいいなと思うけど、私は志賀本人が登場しない作品の方が素直に読める。『城の崎にて』は志賀の私小説だけど、主人公はもはや志賀の個を離れていると思う。小さな生き物の死に臨む主人公は志賀個人の性格や状況を離れたふわっとした存在にされて、ほとんど小生物の死を見つめる目としてだけ存在している。それが志賀の「見たままに書く」筆致とがっちり噛み合う。書こうと思ってもこうは書けない、と唸らされてしまう。2019/05/01

3
志賀直哉の作品が読みやすいというのもあるけれど、ワイド版ということで形態的にも読みやすい。意識して読んだことがなくてもどこかで目にしているような代表作が多く、少し懐かしい。どの話もすんなりと読んでいける。2013/08/07

千本通り

1
最近何度か城崎温泉に足を運んだのと「流行感冒」の作品が今のコロナ禍に被っているので読んでみた。正直、思ったほどの出来でなく拍子抜けした。志賀を「小説の神様」と呼ばしめた「小僧の神様」も小僧にごちそうした人物の自己満足でしかなく、「赤西蠣太」は中途半端な終わり方で志賀でなければ編集者から突っ返されそうだ。「流行感冒」も主人夫婦と女中の話で、女中なんかいない今では感情移入しにくい。期待外れ。2023/03/23

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