内容説明
南ロシアの五月、美しく咲いた桜の園に、五年ぶりに帰ってきた当主ラネーフスカヤ夫人。思い出に浸る彼女を喜び迎える屋敷の人びと。しかし、広大な領地はすでに抵当に入り、まもなく競売にかけられる運命にある。さまざまな思いをよそに、いよいよその日がやってきた…。チェーホフ最後の、そして最も愛されてきた戯曲。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さゆき
6
ロシア文学は初めて読みました。時代背景が分かればもっと楽しめたかな。解説にもあったように、登場人物がみな中途半端で、だからこそ人間味が出ているのかもしれない。2015/03/11
Miyoshi Hirotaka
5
12世紀にイギリスで始まった農奴解放はフランス、ドイツを経て19世紀にロシアにたどり着き、これはそのまま近代化の差異となった。ロシアの農奴解放令は明治維新より先だったが、改革のスピードが日露戦争の勝敗を分けた。学生時代は麗しき貴婦人の滅びの美学として読んだが、今は戯曲の背景に関心が行く。改革は遅いだけ不徹底になり、代償はそれだけ大きい。外部の脅威と内部の弱みが重なる状態に追いつめられるまでに打ち手はあったはず。セリフに現代日本との類似点を見つける度に、その後ロシアが払った代償の大きさを思うと背筋が凍った。2013/06/16
ささ
3
◾️戯曲を読むのが苦手なので読み切れるか少し不安はあったけれど、翻訳が読みやすい&ページが少ないのもあって、サクサク読めた(人の名前がなかなか覚えづらく、登場人物のページと行ったり来たりしたけれど)喜劇に疑問符がつくほどではないけれど、笑うようなシーンはなく、淡々とした群像劇。楽団を呼んでる場合じゃない!とはつっこんでしまったけれど。炭鉱事故の音が遠くに聞こえる描写を入れることで、『地主貴族が没落していくかげで、そこに生きてきた農民たちもまた新たな不幸にみまわれていることを、チェーホフはさりげなく語った』2024/12/15
ままちよ
3
うーん。よくわからなかった。 会話のやりとりとかが文学的なのだろうか?2018/05/28
悸村成一
1
本編は勿論、「解説」を読むのも楽しみ。図書館本。1982018/12/03
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