内容説明
菅野省三とともに、印象深い人物江島宗通。藩主の後裔で能狂いのこの老人は、その地位によって華族はむろん、政・財界、軍部までの事情に通じ、貴族的高慢と正直さから彼らを忌憚なく批判する。―やがて軍から脱走して延安へと向う省三には日本軍の弾が、宗通の上には焼夷弾の雨が…。戦争で中断しながら20年をかけ、昭和31年完結。
菅野省三とともに、印象深い人物江島宗通。藩主の後裔で能狂いのこの老人は、その地位によって華族はむろん、政・財界、軍部までの事情に通じ、貴族的高慢と正直さから彼らを忌憚なく批判する。―やがて軍から脱走して延安へと向う省三には日本軍の弾が、宗通の上には焼夷弾の雨が…。戦争で中断しながら20年をかけ、昭和31年完結。