内容説明
日清戦争(一八九四‐九五)の時の日本外交の全容を述べた、当時の外務大臣=陸奥宗光(一八四四‐九七)の回想録。新たに草稿をはじめ推敲の過程で刊行された諸刊本との異同を綿密に校訂、校注と解説で本書の成立経緯を初めて明らかにした。表題は、「蹇蹇匪躬」(心身を労し、全力を尽して君主に仕える意)という『易経』の言葉による。
目次
東学党の乱
朝鮮に向かいて日清両国軍隊の派遣
大鳥特命全権公使の帰任およびその就任後における朝鮮の形勢
朝鮮国の内政を改革するため日清両国共同委員を派出すべしとの提案
朝鮮の改革と清韓宗属との問題に関する概説
朝鮮内政改革の第一期
欧米各国の干渉
六月二十二日以後開戦に至る間の李鴻章の位置
朝鮮事件と日英条約改正
牙山および豊島の戦闘〔ほか〕