内容説明
一八五四年に刊行された本書は、自然とともに生きた著者の忠実な生活記録であると同時に、「どう生きるべきか」という人生の根本問題を探求した哲学の書ともいえよう。環境問題が深刻化した現代、最も普遍的・今日的な文学作品として、世界各地で広範な読者を獲得しているアメリカ文学の古典。
目次
湖
ベイカー農場
より高い法則
動物の隣人たち
暖房
先住者と冬の訪問者
冬の動物たち
冬の湖
春
むすび
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
paluko
7
上巻では「哲学者・ソロー」が語っていたとすれば、下巻では「ナチュラリスト・ソロー」が生き生きと精細に語り出す。とくに106頁からの「アリの戦争」の描写は圧巻。それにウォールデン湖の微に入り細にわたった観察。ときには「岸辺は湖の髭の生えない唇である。湖はときどき舌なめずりをするわけだ」(22頁)などの擬人化表現も。215頁には湖の詳細な測量図まで。2024/01/30
新山下
1
いい内容で熟読したので、読み終えるのに時間がかかった。しかし内容をよく知らない引用がある部分は理解できなかった。豊かな自然環境に過ごす価値は富と科学技術による近代生活より尊いもので、生活はシンプルに自然の摂理に従って生きるのが幸せであることを述べている。2015/08/20
色
0
『森の生活』読了ー!ヽ(´ー`)ノ途中で気付いたけど、これ哲学の本だったのね…!どうりで難しい筈(笑)森での生活を通して、社会や人間そのものの本質を見直すべきというソローさんの言葉はズバアッと核心衝き過ぎてて胸が痛いっス。みんながみんなこうできれば、豊かだ豊かじゃないとかいう問題とかもなくなって平和でいられるのにね…。でもすごい難しいよね…!あと、これほどに後ろについている訳注を見る必要が多かった作品も初めてです。なんというか…とっても詩人。文書の切り口が、なんとも言えず優美っちゅーかなんというか…!2009/11/12




