内容説明
なかなか開かなかった古い茶箪笥の抽匣から見つけた銀の匙。伯母さんの限りない愛情に包まれて過ごした日々。少年時代の思い出を、中勘助が自伝風に綴ったこの作品には、子ども自身の感情世界が素直に描きだされている。漱石が未曾有の秀作として絶賛した名作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
あじ
62
茶箪笥の抽出しの奥にある、母から譲り受けた銀の匙。時々取りだし磨けば、少年時代が昨日の事のように甦ってくる。一匙二匙盛って溶かしてゆく青い日々。立ち上る香りに包まれながら、湯気向こうに悲喜交々を見る瞳は、大人のものではなく小さな背中の小さな瞳。大人である己を介在させない写実性で、読者を幼心の胸中に最後まで据える。時の水流も絶えずしてもとの水にあらず、しかし銀の匙はそれを可能にしているかのようなストップモーションを体感したのだった。2015/07/19
ツキノ
15
積読本-81 ようやく、ようやく、ようやく読めた。どこかで絶賛されていて読むなら岩波、しかもワイド版が出たとのことで購入。いつなのかはすっかり忘れている。途中まで読んでそのままになっていた。本の花束で安野光雅さんのおすすめ本として取り扱ったらなんと2300冊を超える注文があり、さらにアンコールで取り扱っている。たしかに他に類をみない作品。解説本も積んであるのでそちらも読みたい。2015/12/23
ぼんくら
12
たよりなさ、心細さ、わがまま、子どもの気持ちがそのまま伝わってくる。子どもの頃はこんな風に感じていたと思い出す。「しろばんば」や「津軽」などの作品と共通する読後感。2013/01/18
羊の国のひつじ
11
自分だったら子供時代を子供の観点からこんなに詳細に語れるだろうかと考えながら読了。解説にもあったが夏目漱石も絶賛していたんですね。状況描写が独特で生き生きと描かれていた。もう一度読みたい。そういえば、まろまろとした声ってどんな声なんだろう?2015/12/28
sui
8
やっと読み終わりました。さらっと読めず、注釈も多かったのでとても時間がかかった。確かに古いけれど、文章が素直で美しくかったのが印象的。ローラ・インガルス・ワイルダーもそうだけど、子供時代のことを子供の目線のままこんなに瑞々しく表現できるって・・・。日本語ってこんなに表現があるのか。教科書として使われたという意味がよく分かった。またじっくりと読み込んでみたい。2016/02/17
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