出版社内容情報
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言えり」.著名なこの一文で始まる本書は,近代日本最大の啓蒙家である著者が,生来平等な人間に差異をもたらすのは学問の有無によると説く.彼のすすめる学問とは,西洋実学の批判的摂取である.明治の人心を啓発したその言は,一世紀を経た今日も清新である. (解説 小泉信三)
内容説明
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言えり」。著名なこの一文で始まる本書は、近代日本最大の啓蒙家である著者が、生来平等な人間に差異をもたらすのは学問の有無によると説く。彼のすすめる学問とは、西洋実学の批判的摂取である。明治の人心を啓発したその言は、一世紀を経た今日も清新である。
目次
端書
人は同等なる事
国は同等なる事
一身独立して一国独立する事
学者の職分を論ず
附録
明治七年一月一日の詞
国法の貴きを論ず
国民の職分を論ず
我心をもって他人の身を制すべからず
学問の旨を二様に記して中津の旧友に贈る文
前編の続き、中津の旧友に贈る
名文をもって偽君子を生ずるの論
演説の法を勧むるの説
人の品行は高尚ならざるべからざるの論
怨望の人間に害あるを論ず
心事の棚卸
世話の字の義
物事を疑って取捨を断ずる事
手近く独立を守る事
心事と働きと相当すべきの論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
まっすん
3
非常にためになった。今から何百年も前の人が、これからの日本はこうあるべきだと考えてそれを本にしていたのかと考えると感慨深くなった。2014/07/05
masaru
2
「天は人の上に人を造らず」ごはんですよ~。2020/03/31
あすべる
1
言わずとしれた名作。「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らずと言えり」から始まる文章は、読んだことがない人でも知っているほど有名。しかし、孫引きが多く「されども今広くこの人間世界を見渡すに…」と続く部分まできちんと読んで使っている人の少なさには唖然とする。古事記を暗唱しようとも今日の米の相場を知らないようなやつは、世帯の学問に暗いやつと呼ぶなど、学校の勉強だけが学問じゃないんだという前提から始まる様々な心構えは、今の世にこそ必要なものなのではないか?そんな風に思った。2011/10/11
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