ワイド版岩波文庫
きけわだつみのこえ―日本戦没学生の手記 (新版)

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  • サイズ B6判/ページ数 524p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000071383
  • NDC分類 916
  • Cコード C0321

出版社内容情報

昭和24年の刊行以来,無数の読者の心をとらえ続けてきた戦没学生たちの遺した手記が,戦後50年を機に原点に立ち戻って見直され,新しい世代に読みつがれていく決定版としてここに生まれ変わる.

内容説明

酷薄な状況の中で、最後まで鋭敏な魂と明晰な知性を失うまいと努め、祖国と愛する者の未来を憂いながら死んでいった学徒兵たち。一九四九年の刊行以来、無数の読者の心をとらえ続けてきた戦没学生たちの手記を、戦後五〇年を機にあらためて原点に立ちかえって見直し、新しい世代に読みつがれていく決定版として刊行する。

目次

戦没学生の遺稿(日中戦争期;アジア・太平洋戦争期;敗戦)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

sasha

7
あの戦争がなければ、彼らは戦場に散ることもなかっただろう。学徒出陣。文学を、哲学を、美術を。それぞれに極めたいものがあったはずなのに。そこから引き離され、学徒兵として戦地へと赴いた。彼らが残した手記でしか、その心を垣間見ることが出来ないが若くして死ぬことを求められた彼らの魂を弔うには、戦争をせずに、戦争に手を貸さない国でいることではないだろうか。2014/08/12

mimm

7
「兵隊とは、栄光ある囚人の世界に過ぎない」芸術家、数学者、医者…たくさんの才能が消されていく。良いお父さんであったかも知れない人の手紙も、切なくて苦しくて、やりきれない。敵国に対しての憎しみではなく、自国民が軍の中でいじめや制裁で潰している印象。平和時であれば各々の才能や気質が活かされていたんだろうな、と思うとこんな人間性を壊してしまう戦争は本当に嫌。そして、自分の祖父のことがもっと知りたくなった。今度手紙を見せてもらおうと考えてます。2011/10/26

Akiko Sasaki

3
「日本をよろしく頼みます」「私はいなくなりますが、皆さん幸せにお過ごしください」…社会に出て自分の才能を発揮したかっただろうに、穏やかで幸せな時間を過ごしたかっただろうに… もう日本ではこんなことは絶対起こさせないのみならず、世界中でもこんな思いをする人が少なくなるよう、争いの芽を摘み平和の種を蒔くことと、私たち一人一人が自分と周りを幸せにするように心がけていくことが、彼らから託されたものであり、むなしく散って行ったいのちを無駄にしない、ということだと思いました。2013/10/25

kaizen@名古屋de朝活読書会

2
戦争は、勝っても負けても悲惨。家族に対する手紙は、胸をうち、先に読み進めないものもある。自衛隊が、直接戦闘ではないといえ、海外に進出することに危惧。命を失う可能性のある、起こっている戦争に関与。戦後、すぐの発行時には、軍国主義を鼓舞する内容のものは未掲載とのこと。最初の編集時には、時代的に仕方がないかもしれない。今、「軍国主義」という一言で片付けてきた事の危なさと多様性を知る。実態のすべてを記録として公開し、危うさとばらつきを確認したい。2010/04/14

のん@絵本童話専門

1
戦没学生の手記。極限状態を前にした胸の内を綴っている。気丈に振る舞う勇敢さ、そして精神的に成熟した賢さが今の私達とは全く違う。この本に載せられたものは、十分控えめに書いていると思うが、当時の検閲では通らない内容であり、こっそり家族へ手渡されたもの。中学〜2025/07/28

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