出版社内容情報
人の世の無常を感じ出家遁世した長明は,方丈の庵でもなお「汝すがたは聖人にて心は濁り染めり」と自責せずにはいられない.苦渋にみちた著者の内面と,冷静な目によって捉えられた社会とが,格調ある文章で描かれる.
内容説明
人の世の無常を感じ出家遁世した長明。が、方丈の草庵でもなお「汝すがたは聖人にて心は濁りに染めり」と自責せずにはいられない。この苦渋にみちた著者の内面と、冷静な目によって捉えられた社会とが、和漢混淆・対句仕立ての格調ある文章で描かれる。長明自筆といわれる大福光寺本のすべての影印と翻字を付した。
目次
方丈記
補注
平安京条坊図
付 大福光寺本影印・翻字
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まる@珈琲読書
5
★★★★☆ ■感想:「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」というくだりは覚えていても、どんな内容だったかと手に取った。鴨長明が生きた時代は、大火事、辻風、遷都未遂、飢饉、大地震と大変な時代。それらを踏まえ60歳を過ぎて住んだのが、車2両で移動可能な方丈の庵。最近のミニマリストブームも東日本大震災等の大災害が続いているのも関係しているかもしれません。 ■学び:魚は水に飽かず。魚にあらざればその心を知らず。鳥は林を願ふ。鳥にあらざればその心を知らず。閑居の気味も又同じ。住まずして誰かさとらむ。2022/02/13
Teruki@okameinko
1
ワイド版になって更に読みやすくなりました。大福光寺本影印(写真版)は大きく印刷されたことで、古文書の仮名遣いを、翻字と照らしあわせて学べるので便利です。補注は簡潔でも充実しており、「方丈記」のファーストチョイスとしてオススメです。