出版社内容情報
セネカ(前五/四―後六五年)はローマ帝政の初期というひどく剣呑な時代に生きた.事実,かつての教え子ネロ帝から謀反に加担したと疑われ,自殺を命じられるのである.良く生きれば人生は十分に長いと説く表題作,『心の平静について』『幸福な人生について』のいずれもが苦境にたちむかうストア哲学の英知に満ちている.
内容説明
セネカはローマ帝政の初期というひどく剣呑な時代に生きた。事実、かつての教え子ネロ帝から謀反に加担したと疑われ、自殺を命じられるのである。良く生きれば人生は十分に長いと説く表題作や、併収の『心の平静について』『幸福な人生について』のいずれもが苦境にたちむかうストア哲学の英知に満ちている。
目次
人生の短さについて
心の平静について
幸福な人生について
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Taka
12
34歳になりました。早い早い時の流れが早い。このまま過ぎ去っていきそうだ、と思っていると古典が目に入る。ストア派哲学者のセネカは人間嫌い。人生の短さについて、心の平静について、幸福な人生について。ずっと語られるのは放蕩三昧遊びに耽って阿呆のように口を開けて与えられるものを待ってただ人生を無意味に過ごすな。人に人生を浪費させるな。人にものを与えられる賢者を見ろ。ただ説いているセネカ自身が莫大な資産を持っている余裕がある人間だったというのも興味深い。人生は短い短い短い。ぐるぐるしているここから明日へ行きたい2024/01/12
Kiro
12
図書館本。面白く為になった。二千年の隔たりがあるとは思えない人についての考察。読んでると、お爺ちゃんから耳が痛い話を滔々と聞かされている気分になった。多分、社長であろうが、ヒラ社員であろうが、学生であろうが、、どんな立場の人が聞いても、ギクリとするお話があると思う。そういえば読んでる途中、哲学って神様のいない宗教みたいだなと思った。キリストが生きていた時代のお話、興味深い。買って本棚に休ませておき、また折を見て耳を痛くしてやろうと思う。徳って、人の幸せをも自分の幸せに思えるようになる素敵なものかなと思う。2019/11/01
zoros
6
岩波からは訳本が2冊出てるけど私はこちらの訳の方がよかったです。『人生の短さについて』『心の平静について』『幸福について』の3篇。もっともグッときたのは『人生の短さについて』です。図書館本だったけど、手元に置きたいと思って購入した。 『幸福に―』の財産についてだけは頷けなかったな。 私にどこかで日本人の『清貧』を上とする気質があるからだろうか。セネカは財産があったみたいだし。貧乏をしらない人の屁理屈のようだなと思った。2019/01/14
nrk_baby
5
久しぶりの読了本。色々と忙しくてなかなか読書時間が確保できていません。時間を大切にしないと...2014/06/03
akane
3
これは、逆説的なタイトルです。「われわれは短い人生を受けているのではなく、われわれがそれを短くしているのである」つまり、人生は十分に長いものであるにもかかわらず、放蕩や怠惰といったつまらないことでその多くを浪費してしまっている人があまりにも多い、と。 お金を湯水のごとく使うことはなくても、時間を湯水のごとく無駄に使ってしまっていないか?と、セネカに諭された気分。返す言葉がない…反省。 “時は金なり”時は貴重であるからむだに過ごしてはならない。初めてその意味の重みを感じた。2012/03/11