内容説明
子どもはどのようにして言葉を身につけるのか。まず、生成文法の言語観をもとに、言語機能が生得的なものであり、人間の認知能力における一つのモジュールであることを述べ、さらに言語知識のどの部分が生得的でどの部分が経験的なものであるかを解説する。そして失語症などの研究をもとに、言語と脳の関わりについて説明する。最後に、コンピュータ上で動作する言語学習モデルを紹介する。岩波講座「言語の科学」の単行本化。
目次
1 言語の普遍性と領域固有性(文法とその使用;言語の性質 ほか)
2 言語獲得と普遍文法(言語獲得研究と生成文法理論;音声の獲得;語彙的情報(レキシコン)の獲得
展望)
3 言語理論と失語症(統語理論と神経系との対応づけ;統語理解障害の言語学的分析;失語症と言語理論;痕跡削除の仮説の修正:痕跡に基づいた説明;失語症の比較研究:英語と日本語における語順)
4 言語学習の計算モデル(モデルの意味;統語規則の獲得のモデル;展望)
著者等紹介
橋田浩一[ハシダコウイチ]
産業技術総合研究所情報技術研究部門
大津由紀雄[オオツユキオ]
慶応義塾大学言語文化研究所
今西典子[イマニシノリコ]
東京大学大学院人文社会系研究科英語学
グロッズィンスキー,ヨセフ[グロッズィンスキー,ヨセフ][Grodzinsky,Yosef]
テルアビブ大学心理学科
錦見美貴子[ニシキミミキコ]
産業技術総合研究所情報技術研究部門
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