出版社内容情報
「取り戻す」と「取り返す」の違いは? 「誤って」と「うっかり」はどう使い分ける? 無意識にわかっていることと違いに気づいていることは話が別.その違いまで明るみに出す理想の辞書には,何が書いてあるのだろう.
内容説明
「取り戻す」と「取り返す」の違いは?使い分けているのに気づいていないその違い、どんな辞書も教えてくれません。
目次
序章 見果てぬ夢は
1 隠れた装置
2 受身あれこれ
3 時を表す
4 命じる・願う
終章 こんなことが辞書に書いてあれば
著者等紹介
仁田義雄[ニッタヨシオ]
1946年大阪府茨木市生まれ。1975年東北大学大学院文学研究科国語学専攻博士課程を単位取得後退学。文学博士(大阪大学、1991)。現在、大阪外国語大学外国語学部教授。目下仲間たちと日本語文法についてのきめ細かくそしてできるだけ包括的な文法書の作成に取り組んでいる。また、文法を中心とした明治以降の日本語研究史や言語問題にも興味がある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
311
タイトルからは、何らかの理由で辞書には書かれない、もしくは辞書からは漏れ落ちたことばについての話(エッセイ)だと思っていた。実際はそうではなく、語彙を収録した辞書や文法書では説明しきれない、日本語の微妙なアヤについて述べられている。例として上げられ、考察されているのは「取り戻す」と「取り返す」の違いや、日本語の受け身の問題、あるいは時を表す表現などについてである。論者(仁田義雄氏)は、おそらくきわめて真面目な人なのだろう。述べていることは、まっとうなのだが、いたって専門的であり残念ながら我々のような⇒2023/11/17
そちゃ
3
こんなことが辞書に書いてあれば、な本。取り戻すと取り返すの用例の違い、など。主体から分離可能なものに使えるかどうかで筆者は用例を分ける。ああ、確かに。辞書に書かれる意味は同じでも、生活の中では無意識に限定されるのである。この無意識を育てる人間の脳と言語ってすごいな、という陳腐な感想しか持てませんでした、ごめんなさい。2020/04/28
クソメガネ
1
動詞についてある程度詳しく学べる本。ちょっと回りくどい言い方が気になるところもありますが、確かに筆者の言う「こんなことが辞書に書いてあれば」には納得できます。2014/07/13