出版社内容情報
数学とはどんな学問か,数学者とはどんな人たちか.研究の最前線にいる幾何学者が,日々の研究や教育,フィールズ賞をめぐる思惑,現代数学の動向などについて軽妙に語りながら,数学と数学者の世界をいきいきと画き出す.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
猫丸
16
数学科の学生は3分野の基本を必修で履修せねばならない。3分野とは代数・解析・幾何である。僕がいちばん苦手であったのが幾何。なにしろ何を調べたいのかよくわからないのだ。初学者にとってまずは目的意識が大事である。ダイジェスト的に各分野の興味関心の在処をチラリと見せる講義などがあると助かったのだが。まあ、そんなのは誰かがエサを与えてくれると思う堕落した学生の逆恨みにすぎないですね。深谷先生はそんな幾何がご専門であるため少々縁遠い。本書でお考えの一端に触れ、バイアスのない自由な思想に感銘を受けた。2020/03/10
calaf
15
「数学セミナー」に掲載された連載エッセイをまとめた本。数学者の考え方が分かって面白い。そうそう、その感じ分かる〜とか、なるほどそんな考え方をするのか...とか。20年近く前の本なので、時代とともにどんどん変化している部分もあるのかもしれませんが。2015/04/26
yc
7
素人にとっては6割くらい怪文書。ただ、残りの4割は結構面白い。抽象的で直感では理解できないものは人の心など数学にも多々あり、それらについての造詣は色々と考えさせられるものがある。第一章の「見えないものを見るために」は、なにか理解に躓いているときに励みになるものがある。理解するとはどういうことか、著者からなんとなく伝えられる1冊2024/03/05
パン
4
教育全般について共通する点もありそう2023/02/07
がまくん
4
「無限というのはロマンを誘う言葉である。『有限的なものを眺めているうちに、一瞬無限に連なるものが想起されたとき、これを感動と呼ぶ』」 すごく腑に落ちる。2015/04/24