出版社内容情報
ボンジリってお尻じゃないの?鳥の首はろくろ首!?キッチンから始まる,とびっきりのサイエンス.
川上 和人[カワカミ カズト]
著・文・その他
内容説明
ボリュームたっぷり胸肉、スジが噛み切れないササミ…。日々の食卓でおなじみの鳥肉には、鳥ならではの機能性と進化の歴史がいっぱい詰まっている。ボンジリってお尻じゃないの?鳥の首はろくろ首?昭和の野球部はスズメ跳び!?トリビア満載、ネタも満載。オーブンのチキンが焼けるまで、とっておきのサイエンスを召し上がれ。
目次
プロローグ ニワトリが先か、卵が先か
1 ツバサをください(胸肉は、フライの後で;縁の下だからって、力持ちとは限らない ほか)
2 アシは口ほどに物を言う(もももすもももふとももとは関係ない;おいしいスネのかじり方 ほか)
3 一寸の鳥でも五分はホルモン(捨てるトリあれば、拾うガラあり;時には肝を食らう魔物のように ほか)
4 そしてトリもいなくなった(ボンジリ隠して尻隠さず;サブイボと呼ばないで ほか)
エピローグ 卵が先か、ニワトリが先か
著者等紹介
川上和人[カワカミカズト]
森林総合研究所・主任研究員。小笠原諸島の鳥類の進化と保全に関する研究が専門(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
114
動物学の素人である私たちに、鳥肉という身近な素材を使って、鳥の形態、生態、進化を教えてくれる素晴らしい一冊。ユーモアに富んだ巧妙な語り口は、川上先生の真骨頂。なぜ胸肉は柔らかくモモ肉は弾力があるか、胸肉とささみの違いは、なぜ鳥皮に脂肪分が集まるか、なぜ首肉が発達したかなどを考えながら、恐竜が空を飛ぼうと志して鳥に進化した歴史が見事に理解できる。哺乳類との比較を読みながら、ニワトリって凄いなあと尊敬の気持ちも湧いてくる。本当に楽しくいい本だ。でも、余りにも知りすぎちゃって、鳥肉を口にするのが辛くなるかも…。2021/05/04
五右衛門
90
読了。読みなれた作家さんです。けれどもいつもの間でくすぐり入れられるとツボってうけちゃいます。実は関西人ですか?しかも学術的にも食文化にもデビルマンにもガンダムにも精通されており唸りながら読み終わりました。鶏肉に今夜も合唱。ありがたくいただきました。2021/10/12
アナーキー靴下
90
家庭菜園の野菜や果物を見つめる眼差しに愛おしさと美味しそうという気持ちが混在しても普通に思えるのに、動物に対しては…? 本書は市販鶏肉の部位に沿って、鳥類の生態や能力を解説する内容で、生物を重ねる抵抗を軽妙なジョークで緩和しつつ、お馴染みのパーツを想像することで、より明解に理解できる良書。例えば水族館デートの後に寿司食べよう、なんて残酷! という人にはこの本は向かない。水族館で寿司とか直球過ぎて返事に困るわ、一笑い挟んでくれ、という人にはお薦め。ただし、笑いの好みは人それぞれ、という点にも留意されたし。2021/07/25
鱒子
88
図書館本 鳥類学者の川上先生の軽妙な文章に導かれ、ところどころで吹き出しながら読了。最終章は先生のお好きな恐竜で締められてしまった感がありますが、タイトル通りの知識がつく本です。わたしは軟骨系よりもモモ肉派、もっと言えば肉より卵ラブ!2022/02/14
けんとまん1007
88
相変わらずの川上節炸裂!鳥、特に鶏について語りつくすというか、食べつくすというか、これでもかという勢い。科学的な部分がベースにありながら、いつもの調子で外れ勝ちになるのがご愛敬。それでも、だてに鳥類学者ではなく、そうあんだあ~という気づきがたくさん。鳥(だけではないが)は、今の姿は完成形ではないということ。これからも、変化していくんだろう。それにしても、人間って、何でも食べるんだなあ~。2021/01/17