出版社内容情報
子を産み、育てる営みにおいて「自然」とは何なのか。この永遠の謎に切り込む、トリビアだらけの大作。
内容説明
私たちヒトにも「発情期」はあるのか?妊娠しやすいのは、本当はいつなのか?男の乳首はなぜあるか?―一番身近な生き物なのに、ヒトの生殖はまだまだ謎に満ちている。子を産み育てる営みは、どこから来て、どこに向かおうとしているのか。哺乳類の進化から生殖医療まで、広大な視野から切り込んだ大作。
目次
1 精子と卵子
2 性の周期、恋の季節
3 セックスから受胎まで
4 長い妊娠、苦しい出産
5 大きな脳の秘密
6 授乳の自然史
7 自然にそった育児とは
8 もてあそばれる生殖
著者等紹介
マーティン,ロバート[マーティン,ロバート] [Martin,Robert]
シカゴ・フィールド自然史博物館ワトソン・アーマー3世キュレーター。シカゴ大学進化生物学委員会のメンバーでもある。ロンドン大学自然人類学部門教授、イェール大学客員教授、パリ・人類博物館客員教授、チューリヒ・人類学研究所所長兼教授などを経て現職。シカゴ在住
森内薫[モリウチカオル]
英語・ドイツ語翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GASHOW
7
男女が手をつなぐシルエットと「愛が実を結ぶとき」という邦題をみると恋愛に関しての話の印象を与えそうだが実際は違う。受精のことだ。「HOW WE DO IT」がタイトルで人類は生殖をしてきた進化について書かれたいる。関連の本の中でも詳細でわかりやすい。精子の寿命が世間の認識よりも長く、劣化した際の受精はダウン症のリスクもある。膣内のポケットに残っているという。受精に適した日は、劣化精子のリスクもあるという。受精や避妊についても進化生物学の説明なので面白いしためになると思う。2016/09/28
おさと
2
進化から性を考えてみる本。2019/11/06
mawaji
2
受胎期のエッグタイマーモデルや長い妊娠期間と苦しい出産などの進化論的意味付けなど非常に興味深く読みました。大きな脳の発育と引き換えにヒトのお産がこんなにも時間がかかり、かつ危険と背中合わせになったという記述は確かに出産が医療の世界で「労働(labor)」と呼ばれるのもむべなるかなといった感じ。多くの妊娠のあいまに数度月経を経験するほうが自然に近かった時代は比較的最近まで続いていたようにも思いますが、妊娠、出産、授乳なども社会的・文化的背景の変遷とともに何が「自然」なのかよくわからなくなってしまいそうです。2016/04/27
vonnel_g
1
みんな知っているけれど実はあんまり知らない性と生殖について生物学から解説する本。ややくどい章があったりしてちょっと読みにくい。精子と卵子の大きさがなぜ違うのかまだ理由が分からないということ、経口ピルの服用によって月経を止めるのは割と自然に近い状態であるという話には結構驚いた。そういえばいわゆる「安全日」は存在しないらしいですよ。ご注意。2015/11/13
マナティ51
0
通説になっていることもあてにはならないんですね。学問というのはあらゆることを疑って確認してその上でまた疑っていくようなものなんですね。あれこれ読んで知った気になってはなりませんわ。2016/03/24
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