出版社内容情報
政治活動家チョムスキーの土台に科学者としての人間観があることを示した講演とインタビュー。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
41
2014年初出。最も重要なのは言語において音と観念が結びつけられる方法は、人間固有であること(9頁)。ソシュールを受けて、言語とは有限の社会学的概念。ホイットニーを受けて、言語は思考のための可聴記号(12頁)。アダム・スミスの見えざる手の2つの解釈もある(65頁~)。TPPも自由貿易は持っておらず、富裕層を利するもの(86頁)。言語学者もこれほどまでに国際政治経済学を展開しているのに驚かされる。自由は贈り物ではなく、闘いで勝ち取るもの(95頁)。2016/03/30
白玉あずき
18
言語哲学だの理論言語学についての内容は、使われる用語すらまったくチンプンカンプン。講演だから多少はわかるかなあと思った自分の浅はかさ。初めて見るような「用語」がいっぱいだ。せめて音韻論だけでも齧ってあれば・・・・自分のこれからの人生で、言語学を勉強する意欲や機会はもうなさそう。とうとう触れることも叶わず三途の川を渡るかと思うと悔しいのだが、まあ仕方あるまい。チョムスキー氏の政治的発言部分だけはしっかり読みました。ぶれない理性の人なのだが彼のお年もお年、いずれ一つの時代が終わる時が来るかも、と寂しい限り。2016/07/24
bapaksejahtera
11
言語学者としての話題提供と政治活動家として発言からなる。生成文法等に理解が乏しくとも、一般人向け講演であるので、後半の専門家同士の対談を除き分かり易い。氏の政治思想は素朴なオールドリベラリズムであり、55年体制の社会主義的施策展開を懐かしみ勝ちな私には共感を呼ぶが、天安門事件等中国の政治事件について、全体主義国の事と冷たく突き放す氏の反ボルシェビズムを理解せずに、同調を求めて発言する左派的出席者の質問は鬱陶しい。領域国家を前提に構成される世界秩序を抜きの国際政治論議は、天才学者の言説とはいえ退屈でもある。2021/06/25
kenitirokikuti
7
図書館にて。2016年くらいの来日講演だそうな。チョムスキーも80代で、クラシックの巨匠の来日公演みたいだなぁ、と思ったり▲先に田中克彦『チョムスキー』を読んだのだった。まぁ、もう全然別な学問になってるので、なんと言ったらええのやら。臨床医とウイルス学者くらい違うかな…▲言語は音声でコミュニケーションするのに用いられるが、ヒトが獲得している言語能力の肝は、特定の感覚器を必須とするものではなく、一見自然に思える順番(数)の理解でもない。詰将棋みたいな最短ルートの直観とか。2021/10/03
yooou
7
難しくて歯が立たない成文法についても(少しは)解った感じになれるのがありがたい。しかし何よりこの講演実際に聴きに行きたかったなー残念です。2015/12/06