出版社内容情報
不規則系研究の金字塔とされるコヒーレント・ポテンシャル近似(CPA)理論を徹底解説する。
内容説明
結晶のような周期性をもたない凝縮系を、不規則系とよぶ。周期性欠如の故に困難とされた不規則系の理論構築。その困難を乗り越えて提案されたコヒーレント・ポテンシャル近似(CPA)は、無比の完成度の高さと普遍性の広がりで、不規則系研究の金字塔とされる。さまざまなアプローチから到達したCPAは「発見され、再発見され、再々発見され続けた理論」だ。そのCPAの徹底解説が本書の目的である。
目次
第1章 不規則系―事始め
第2章 結晶に関する議論―まず規則系を復習しておこう
第3章 不規則系の一般論―不規則であるにもかかわらず出現する性質
第4章 簡単な近似からでも見えてくるもの―置き換え型不規則系の真骨頂
第5章 摂動項をダイアグラムで表示する―直観的な把握
第6章 自己完結的な無限和がCPAを与える―近似の数学的な素性と完成度の高さ
第7章 コヒーレント・ポテンシャル近似の普遍性―再発見され続けて…
第8章 アンダーソン局在―不規則であるからこそ出現する性質
第9章 位置の不規則性をもつ系―コヒーレント・ポテンシャル近似はここでも有効
付録
著者等紹介
米沢富美子[ヨネザワフミコ]
1938年大阪府生まれ。1966年京都大学大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。京都大学基礎物理学研究所助手、助教授、慶應義塾大学教授を経て、慶應義塾大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さーど
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不規則系の理論の金字塔であるコヒーレントポテンシャル近似(CPA)を紹介するためにある一冊。CPAは著者の代表的な仕事のひとつであり、本理論の解説の豊かさと奥深さは流石というほかない。 これからCPAを学ぼうとする人、あるいは既に使っている人なら一度読んでおいて損はないはず。 CPAの本質は単一サイト近似であり、不純物同士の干渉を無視することにある。これはつまり、平均場中の単一不純物散乱を扱っていることに等しく、これを自己無撞着に解くことで合金の電子状態を計算することができる。2020/02/15
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