ふたりの微積分―数学をめぐる文通からぼくが人生について学んだこと

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  • サイズ B6判/ページ数 200p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000059596
  • NDC分類 413.3
  • Cコード C0041

出版社内容情報

数学をめぐる文通から
ぼくが人生について学んだこと

高校の数学の授業で出会った生徒と教師が三十年ものあいだ文通をつづけてきた。人生は浮き沈みを経ながら進んでいくのに、手紙に書くのは数学の話ばかり。ふたりにとって変わったものと変わらなかったものは。

担当編集者からのメッセージ
これは,生徒と先生の,ちょっと風変わりな友情の物語です。
数学教師のジョフリー先生と数学好きの少年ストロガッツは高校の微積分の授業で出会いま
す。先生はスポーツ万能でアウトドア派,カヤックでは国際大会レベルの腕前。一方のスト
ロガッツはそういったものに全く関心がなく,ふたりの唯一の接点は数学でした。
ストロガッツの高校卒業後,一風変わった文通が始まります。話題はもっぱら微積分。30
年にわたる文通のあいだに,ジョフリー先生は退職し,息子を一人失い,脳卒中を経験し,
ストロガッツは進路に迷った学生時代を経て大学教師としてのキャリアをスタートさせ,一
度目の結婚・離婚,二度目の結婚,肉親の相次ぐ死を経験します。けれども,手紙の中では
そうした個人的な事情には一切触れないのが暗黙のルールでした。

内容説明

「数学はそんなに多くは教わらなかった。でも今、彼がぼくに何をくれたのかようやくわかってきたように思う」。高校の数学の授業で出会った生徒と教師が30年ものあいだ文通をつづけてきた。人生は浮き沈みを経ながら進んでいくのに、手紙に書くのは微積分の話ばかり。ふたりにとって変わったものと変わらなかったものは。

目次

連続性(1974‐75年)
追跡(1976年)
相対性(1977年)
無理な話(1978‐79年)
シフト(1980‐89年)
ランチョンマットに書いた証明(1989年3月)
僧侶と山(1989‐90年)
ランダム(1990‐91年)
無限とリミット(1991年)
カオス(1992‐95年)〔ほか〕

著者等紹介

ストロガッツ,スティーヴン[ストロガッツ,スティーヴン][Strogatz,Steven]
1959年生まれ。コーネル大学教授(ジェイコブ・グールド・シュアマン応用数学教授)。1980年にプリンストン大学数学科を最優秀で卒業したのち、マーシャル奨学金を得てケンブリッジ大学トリニティカレッジに学ぶ。ハーヴァード大学で博士号(応用数学)取得。マサチューセッツ工科大学(MIT)勤務を経て現職。専門は非線形力学と複雑系

南條郁子[ナンジョウイクコ]
翻訳者。お茶の水女子大学理学部数学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kochi

19
著者は著名なカオス研究者で、高校時代の数学教師のジェフリーと、微積分や微分方程式などの問題について、30年以上文通を続ける。やりとりは必ずしも頻繁に行われたわけではなく、時には一方通行になり、結婚や肉親の死などの、それぞれの私生活での転機に対しては、あまり触れられることなく、淡々と数式や図形のやりとりが続けられた文通。そして、本書最後の言葉、「ドン・ジョフリー、ありがとう。…ぜひ君に話したい微積分の問題がある。近いうちに電話するよ。」まったく、困った人達だ^_^2015/05/21

しんすけ

17
数学そのものよりも数学の楽しさ語った本。でも読んでいると何か切なくなる。 人間の出会いの儚さを感じさせるからだろうか。 スティーヴンは高校で数学のジョフリー先生と出会う。ただし2年生までは他の先生だったから3年生で出会ったのだろう。 それまでの先生がε‐δ法などで厳密な定義をしていたけれどもジョフリー先生は図形を使った感性的な解法を好んでいたように見受けられる。 それも答を得るのが目的でなく解く過程で様々は取り組みをすることに中心にしていたようだ。2020/12/23

兎乃

15
RNに紹介するため再読。高校で出会った生徒と教師の30年に及ぶ文通。ほとんどは数学の事で、その手紙には網掛けがあり、数学に馴染みがない人にとってはここがハードルになるのかもしれない。が、本書は微積分そのもである「流動」を相手にし、生徒の心の変化、同じように積みかさねる年齢(時間)における互の変化、そして、何も変わらなかったもの、が綴られる。一章ごとのタイトルは、数学的概念と手紙が交換された時期を象徴する言葉がシンクロしていて、詩的。12章目の「最速降下線」あたりから涙が溢れた。瀬名秀明氏が帯を書いている。2012/12/17

おおにし

12
誰だったか「数式で小説が書ける」といったSF作家がいたようですが、数学問題のエレガントな解法を見るとポエムのような美しさを感じることがあります。(といってもさほど数学が得意ではありませんが)ふたりが交わした手紙に書かれた数式たちが時に言葉以上に自分の気持ちを伝えることができるのかもしれないとこの本を読んで感じました。ジェフリー先生の描くヘタウマな挿し絵もなかなか味があってよかったです。2013/01/18

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7
微積分は「変化」を追う学問。与えられた条件から、過去を正確に再現し、未来を完璧に予測する。でもそれは「初期条件が変わらない」という前提があってこそ成立する、非常にセンシティブな理論だ。そもそも数学という学問自体、実に直感的で感情的で、扱う人の心を反映するものだ。だから彼らが30年積み重ねた文通は、ロジカルでありながら、とても有機的で温かい。作中で扱う設問がその時々の彼らの状況とリンクしていて、数学とは世界の真理だけでなく、人の内面を解き明かして記述するために生まれた学問なのだとさえ思えてくる。2013/07/30

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