出版社内容情報
堆積岩の形成に関する地球科学的研究は,近年わが国で大きく発展した.本書は日本の堆積岩について顕微鏡観察を中心に体系的に整理・記述し,その特徴,生成過程を明らかにする.日本列島の理解に必須の知識を提供.
内容説明
変動帯日本列島を構成する堆積岩を網羅して、顕微鏡観察を中心に体系的に整理し、記述した初めての本である。拡大された顕微鏡写真に見る細かな鉱物結晶や組織構造には想像を越える膨大な情報が含まれている。石灰岩とチャート、あるいは火砕性堆積岩などは、プレートの沈みこみ帯を特徴づける岩石である。広く地球科学を志す人に基本知識を提供する。
目次
1 序論
2 砕屑性堆積岩
3 炭酸塩岩
4 珪質堆積岩
5 火砕性堆積岩
6 有機質堆積岩
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
4
堆積岩を構成する鉱物結晶を化学式、顕微鏡を用い解説。岩石が地表近くで大気や水の力で風化、化学分解し再結晶しながら沈殿堆積しやがて固い堆積岩になってゆく。日本は良質な石灰石の堆積する国土であるが、世界の石灰石の中には天然ガスや石油を含有するものもあるなどとは初めて知った。世界の石油の半分は石灰岩の貯油層から採掘されているとある。変形の強い日本では少ないのだろう。また更に深い海底に沈殿するチャート に一緒に取り込まれる鉄やマンガンなどの含有量で色の違いが出る、何故なのかなと思っていたことが少し解決した。 2020/12/10