出版社内容情報
農家の娘として育ち植物学者になった著者は,水田の生き物が激減する様子を目の当たりにしてきた.その変化を見直し,生態系保全活動の経験も踏まえて,水田を生物の宝庫に戻すには農村からの視点が欠かせないと訴える.
内容説明
農家の娘として育ち植物学者になった著者は、農家の暮らしが変わり、同時に、水田の生物が激減する様子を目の当たりにしてきた。ごく普通に見られた生物さえ絶滅が危惧されるまでになってしまったいま、水田をふたたび生物の宝庫に戻す方策はあるのだろうか。農村の変化をたどり直し、生態系保全活動の経験も踏まえて、農村がいきいきとしない限り、生物のあふれる水田景観をよみがえらせることはできないのではないかという考えに至る。
目次
1 農家の娘として育って
2 水田は生き物たちの宝庫だった
3 農家の娘が見た農村の変化―広島県の山間部の例
4 農村の生き物はどのように変わったのか
5 水田の生物・生態系は守れるのか―中池見を例に
6 ふたたび子供のときの風景を
著者等紹介
下田路子[シモダミチコ]
1951年に広島県の山間部に生まれる。広島大学大学院理学研究科博士課程修了。理学博士。現在、東和科学株式会社生物研究室長。学生時代から中国地方の湿地植生に興味を持ち、山間の湧水湿地や、農村のため池・耕作放棄水田を主な調査対象としてきた。1997年からは福井県中池見で、水田の生物の保全に取り組んでいる。また各地の農村を歩きながら、農業と生物の保全について思いをめぐらせている
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感想・レビュー
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朱音
3
題名からビオトープ的なものを想像していたのだがちょっと違う。 筆者の子供のころの環境の話が長いので求めていたものじゃなかった?と思うのだけれど現代の、特に都会の読者にとっては予備知識的に知らないとそもそもわからないことかもしれない。 稀少な生物を守れ!というのは簡単だけどそもそも水田自体も人工のものであり水田ありきで生存しているいきものを、というのがなかなか難しいことで、一昔前の里山の、人手が加わった自然(変な言葉だけど)を維持することが何と難しいことか!2018/03/22
takao
1
ふむ2022/09/10
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- 和書
- 体育教育の原理