サイエンス・ファクション―疑り深い科学者のための宇宙旅行入門

トホーフト，ヘーラルト【著】〈’ｔ Ｈｏｏｆｔ，Ｇｅｒａｒｄ〉/二宮 正夫/二宮 彰【訳】

岩波書店（2010/12発売）

• サイズ B6判／ページ数 165p／高さ 20cm
• 商品コード 9784000054126
• NDC分類 420.4
• Cコード C0042

出版社内容情報

ノーベル物理学賞受賞者トホーフトの夢みた未来の科学。物理学の原理に反することなく、宇宙旅行は実現するのか？火星を人類の住める気候に改造できるか？知性あるロボットによる宇宙開拓の可能性は？空想と科学を融合する意欲作。

内容説明

事実は小説よりも奇なり！？現代物理学の第一人者が夢みる未来の科学。

目次

空想から科学へカウントダウン
ロケットはなぜ飛び立つのか？
縮みゆく人間、ミクロの世界
どこまで進化？コンピュータの処理能力
紙から電子書籍、３Ｄへ
ロボットの時代のはじまり
未来の浮遊都市
住みよい地球を追い求める
「凧」力発電
恒星への果てしない旅
惑星の入植者たち
ロボットを操って月を植民地化
進化する自己増殖・自律ロボット
ＤＮＡの語る未来の生命
星と星をエレベータで結ぶ
宇宙人はどこへ行ったの？
惑星のビリヤードゲーム
衆愚社会を超える科学の英知

著者等紹介

トホーフト，ヘーラルト［トホーフト，ヘーラルト］［’ｔ　Ｈｏｏｆｔ，Ｇｅｒａｒｄ］
１９４６年生まれ。１９９９年電弱相互作用の量子構造の解明によりノーベル物理学賞受賞。現在、オランダ・ユトレヒト大学教授

二宮正夫［ニノミヤマサオ］
１９４４年生まれ。１９７０年京都大学理学部物理学科卒業。１９７５年名古屋大学大学院博士課程修了、理学博士。ニールス・ボーア研究所、東京大学原子核研究所などを経て、２００９年度日本物理学会会長。現在、京都大学（基礎物理学研究所）名誉教授、岡山光量子科学研究所長

二宮彰［ニノミヤアキラ］
１９４１年生まれ。１９６６年東京外国語大学中国語科卒業。１９６９年東京大学文学部卒業。以降フリーランス翻訳者として現在に至る（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[やいっち]

副題が、「疑り深い科学者のための宇宙旅行入門」とあって、あくまで科学者の立場で可能性のある未来に実現可能な科学の発展を考える。 　彼は＜荒唐無稽な＞ＳＦが至って気に喰わないようで、あくまで生真面目に科学の発達の可能性を追求する。 　今日は、彼が示すアイデアについて、そのうち、エネルギー関連のアイデアを幾つか、羅列してみる。

2014/11/13

[メルセ・ひすい]

14-71　赤75　★5 惑星間飛行が主題宇宙･天体を題材としている｡が…ＳＦびったりでなく､あくまで客観的に現在研究ずみの科学的法則を踏まえた上でのﾄﾎｰﾌﾄ流解釈で物語のながれを対ＳＦの非科学性を批判して辛辣なｺﾒﾝﾄを加えながら紡ぎだしている｡遥か彼方の惑星にはたして､人類は移住可能なのか？物理の法則､人＝生物としての制約･条件を考慮し､難問に挑む｡ノーベル物理学賞受賞者トホーフトの夢見た未来の科学。物理学の原理に反することなく、宇宙旅行は実現するのか。知性あるロボットによる宇宙開拓の可能性は？…

2011/02/27

[ダージリン]

ノーベル物理学書受賞者が主に惑星間旅行に関して理論物理学者の視点でSFではお馴染みな方法にダメ出しをしていく。技術を考える上で、理論的制約や限界を把握しておくことは重要だし、なるほどと思いながら楽しんで読めた。ダメ出しばかりでなく、火星や金星を動かして地球に近づけ居住に適した場所まで持ってくる方法を提案もしている。ちょっと読みにくい文章で、もう少しこなれた翻訳だともっと良かった。

2023/10/07

[こまち]

ＳＦに出てくるような話を科学的に否定している本。

2014/06/16

[LvzaB]

トホーフトさんは確かヤン－ミルズ場の繰り込み可能性を証明した人だったはず・・・ちょっとうろ覚え。人柄は知らなかったけど、訳者あとがきにある通り、真面目な人なのだろう。数式を出さずに説明しようと試み、かつ簡潔に表現しようと頑張ってるせいで、言葉が足らないといった印象を受ける。ある程度の知識がある人からしたら物足りず、全く知らない人からしたら何を言っているのか分からない記述が結構ある。磁気単極子の興味深い性質を述べた後で『この粒子について語るのは本書の範囲を超える』と言って早々に話題を打ち切るのはやめろ。

2019/05/22