出版社内容情報
ヒトはいかにして人間になったか.ダーウィン進化学の文脈で人間性を捉え直し,心の進化・心の現在を浮き彫りにする.人文社会科学,自然科学双方から,従来の枠組みを越えて展開する新しい学問の息吹.雑誌『科学』の関連論文を収録.
内容説明
人間の体が進化の産物であるのと同様に、人間の暮らしや心も進化の産物である。現在を生きているわれわれ人間は、どこから来たのか。どうして今あるような姿をしているのか。怒り、悲しみ、喜び、この世界を生き生きと感じ取るこの感性は、どのようにして生まれてきたのか、遺伝子から宇宙まで、森羅万象を読み解こうとする知性はいつ生じたのか。本書は、ヒト(ホモ・サピエンス)と分類される存在がもつユニークな特徴としての「心」をとりあげ、それを進化という視点から読み解く試みである。
目次
1 心の進化をとらえる視点
2 脳と心の共進化―言語が誕生するまでのみちすじ
3 文化・家族・道徳の起源―進化生物学的理解
4 サルのなかまとしてのヒト―霊長類学から進化人類学へ
5 化石と遺伝子が語る人間の由来
6 ヒトとヒト以外の動物の関係
7 付録 インターネットで学ぶ「心の進化」