出版社内容情報
「物理では人間はわからない,死とは何かの答えを宇宙に求めるな,死の意味を自分に問うな」と,科学論に基づいて答える宇宙物理学者に,「それでも死をどう考えるかを聞きたい」と食い下がり,質問し続ける素人女性.3.11をはさんだ厳しい激闘の先に見えるものとは? この1年間の物語を読み終えたとき,あなたの何かが変わる.
内容説明
死ぬ意味?生まれてきた意味?科学論や学問論で答える科学者vs.問い続ける女性。
目次
第1章 死は科学で解明できるのか?
第2章 宇宙と人間の関係は?
第3章 私たちはどこから来たのか?
第4章 私たちは世界をどう見ているのか?
第5章 死の永遠性は物理の時間で解けるのか?
第6章 宇宙のはじまりの解明と科学の役割
第7章 学ぶ意味、生きる意味
著者等紹介
佐藤文隆[サトウフミタカ]
1938年山形県生まれ。1960年京都大学理学部卒業。現在、甲南大学教授、京都大学名誉教授。専攻は、理論物理学、一般相対論
艸場よしみ[クサバヨシミ]
1958年京都市生まれ。1982年京都府立大学文学部卒業。現在、フリー編集者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
1.3manen
21
京大北門前の進々堂という古い喫茶店が出てくる(31頁)。 機会があれば行ってみたい。 紙に印刷されているのは、インクで言うと万年筆色という感じで、 宇宙の雰囲気が醸し出されている。 先生は、「知識とは何かをするためのものです。科学の知識 の大部分も、人間が生きていくための知識です」(50頁)。 オックスフォード大学やケンブリッジ大学が目指していた学問は、 社会を啓蒙する合理性を土台にした〝知〟である(68頁)。 シュレディンガーの猫って、恐ろしい実験なのだな(104頁)。 2014/03/24
rors(セナ)
13
めっちゃくちゃ面白かった。京大名誉教授で理論物理学者の佐藤文隆先生に、編集者でありライターの艸場よしみさんが「死をどう考えるか」という命題で話を聞くんだけど、先生の話は……という内容。「科学とは真理を表すものではなく人間が作った手法だ」「知識はそもそも人類が困難にぶつかった時の対処法」科学者による哲学の話、かな。第7章は痺れた!2回読んだ。解説が日本語学者のサンキュータツオさんだったのも唸った。ヤンデル先生のお勧め本。2023/12/30
まつど@理工
12
夏に、宇宙論をたくさん読んだときに、感想で高校生も宇宙論とか面白い話題の本を読んでみたらいいのに、というようなものを書いたが、今回この本を読んで、「なぜこうなるか」を棚に上げて、「最新」という言葉に踊らされるのはやっぱりまずいのでは?と反省。ウェーバーの「学問に求めてはならないこと」など今後のカリキュラム作成のヒントとなる話題が多かったので再読したい。2013/10/30
ichigomonogatari
9
とても面白かった!科学の正しさは常に変化していく事、科学は世界を見るための一つのツールに過ぎないということ。科学で、宇宙で、物理学で人間を、死を説明することはできない。宇宙や自然に能天気なロマンを感じたり感激することが孕む危険も。人間は偶然に生まれた産物でそこに意味はないかもしれない。でも、生きていくために宗教やら超越的存在を信じたいと思うのも自然。人の言葉に感激するなといった先生も丸山真男の言葉を気にっている。パブリックに生きる、自分を磨く・・私もできる範囲でやっていければなあ2021/08/24
はる
8
人を人たらしめる3つの実在。 第一の実在としてのカップ。表象。 カップを夢みる第二実在。観念。 カップと認識させる第三の実在。文化(文明)をささえるもの。 死は第三の実在に属する。物理学者佐藤文隆は第三の実在に生きる死を想う。人を磨けと! 個人と公共を二つのものと考えない。個人の自由幸福は、他者によってもたらされ、他者によって実現する。人は選択を間違うかも知れない。間違ったなりに選択するかもしれない。それでも、それを引き受けて進むしかない。だから民主主義はたいへん。2023/06/25
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