出版社内容情報
不動の名著を読みやすく組み直した定本
「高木の解析概論」として知られる解析学の名著。没後50年を記念し読みやすく組み直した定本である。数学を学ぶ人すべての座右の書としてわが国数学界に不動の地位をしめている。黒田成俊による高木函数の解説を補遺として加えた。
内容説明
微分積分学の永遠の名著。あらゆる数学の教科書が手本とした書。新たに高木函数の解説を補い新版として登場。
目次
第1章 基本的な概念
第2章 微分法
第3章 積分法
第4章 無限級数 一様収束
第5章 解析函数、とくに初等函数
第6章 Fourier式展開
第7章 微分法の続き(陰伏函数)
第8章 積分法(多変数)
第9章 Lebesgue積分
附録1 無理数論
附録2 二、三の特異な曲線
補遺 いたるところ微分不可能な連続函数について
著者等紹介
高木貞治[タカギテイジ]
1875年岐阜県に生れる。1897年東京帝国大学を卒業、後渡欧。1900年東京帝国大学理学部助教授。1904年同大学教授。1936年東京帝国大学を停年退官。1925年日本帝国学士院会員。1940年文化勲章受章。1960年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
21
解析を、解析だけで理解するのは難しいかもしれない。 物理法則との関係で考えると、すごく簡単に理解できる。 なぜなら、そこに物理現象が存在し、解析で説明できるからである。 本書は、数学書なので数だけで説明しようとしているので、途中でわからなくなる人も多いかもしれない。 物理学の演習書と一緒に読めば、物理的な現象を説明するのに解析学が役立っていることが分かると思う。 少なくとも第8章の積分法までは、高校程度の物理で出てくる現象と関係が深い。 2020/03/07
MAT-TUN
16
やはり面白い。数学の世界へ引き込まれます。「理由の認識なしに盲算するのはよろしくない。それでは計算の統制はできないであろう」とか「青年Gauss(1797)はレムニスケートの弧長に基づいて楕円関数発見の糸口を得たのである」とか本文中の語りかけに親しみを感じる。私が大学一年生時の指定教科書。この名著を新人向けに選んだ指導教官の先生の慧眼と丁寧な授業に感謝しています。授業は講義の中で演習を適度に取入れ、学生に解答を板書させた上で解答を検討したりと”習った上で慣れよ”式で、演習のみ理論のみに偏らない名講義でした2013/10/13
オザマチ
13
古い本であるからか、今の定番の教科書とは力を入れるポイントが少し異なる(…と思う)のは、興味深い。例えば、ルジャンドルの球関数が本文でそれなりに扱われている一方、最適化で重要なラグランジュの未定乗数法は扱いが小さかったりする。また、種々の原始関数の求め方も、巷の本より詳しかった。2020/08/16
まる
7
微分と積分の定義など基礎の部分が簡明かつ詳細に書かれています。個人的にdy=f'(x)dxと記す妥当性の議論の部分が好きでした(以前から悩んでたので)。 複素解析もわくわくしながら読みました。 「複素数の世界では、微分可能も積分可能も同意語である。驚嘆すべき朗らかさ!」2013/09/10
jjm
4
もちろん通読はしていません。数学科出身ではない私でも知っている歴史的名著ということなので、本棚の見栄え向上のために購入。70越えた数学科出身の親父からは、昔は工学部の学生でも教養の頃にみんな読んでいたと言われ、少し腹立つ。 機械工学科の女性をメカジョ、土木工学科の女性をドボジョとふざけて呼んでいた時代に、この本に出会っていたらメカジョの妻がまた別の人になっていたかは定かではありません。ということで本の内容には全く触れていませんが、折を見てのんびり眺めます。2019/03/11
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