いのちとは何か―幸福・ゲノム・病

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  • サイズ B6判/ページ数 156p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000050586
  • NDC分類 460.4
  • Cコード C0045

内容説明

「いのちとは何か」は、永遠の問いとも言える大問題です。現代の生命科学はその問いかけにどのように答えようとしているのでしょうか。生命の“原理”をつかみ出すことができるとすれば、それは何でしょうか。またそれは、物理学の原理とは異なるものなのでしょうか。環境との相互作用の中で生まれ進化してきた生命は、“偶然”と“必然”の狭間を歩んでいます。いのちのダイナミズムと人の幸福について、世界的に知られる免疫学・分子生物学研究の第一人者が語ります。

目次

第1部(「生命の思想」を問う時代;幸福感の生物学;ゲノム帝国主義;有限のゲノムの壁を超える仕組み1―流動性;有限のゲノムの壁を超える仕組み2―時空間の階層性;ゲノムに刻まれる免疫系の“記憶”;内なる無限―増え続ける生物種;生・老・病・死;がん、細胞と個体の悩ましき相克;心の理解への長い道;生命科学の未来)
第2部(生命科学と物理学の対話)

著者等紹介

本庶佑[ホンジョタスク]
1942年生まれ。京都大学医学部教授、同医学部長・医学研究科長、日本学術振興会学術システム研究センター所長を歴任。医学博士。専攻は分子生物学、免疫学。京都大学大学院医学研究科客員教授(免疫ゲノム医学講座)、内閣府総合科学技術会議議員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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zoe

26
自分でもミーハーだなと思いつつ、ノーベル賞トリガー。大きな箱から順番に詰められていく。きっと、小学生でも、理解できることは書いてあって、だからと言って、大人でも全てを理解できるわけではない感じ。中学生で読み、高校生で読み、大学生で読み、社会人になって読む本。研究者だって、たまに読んで頭の整理する本。二部構成。第一部は、ご自身の専門の生物の話。第二部は物理学者の米沢富美子氏との対談。偶然は必然である「いのちとは何か」を解き明かし説明を可能にする天才は、いつの時代のどこに生まれるのか。2018/10/21

白河清風

22
本庶氏は次のように述べる。「根源的な問いは「生きているとはどういうことか」に尽きる。でも、この問いを一言で答えるのは困難だ。脳科学にせよ、生の仕組みの解明にせよ、生命科学の原理を学ぶことは「ヒトの社会」の諸問題を改善する上で必須である。(例えば、遺伝子組み換え技術や宗教)遺伝子組み換え技術は、推進すべき。宗教は、不安解消の手段としては有効だが、人類の知的活動に制約を与える場合は役割を逸脱する。今日の生物種が神によって造られたという考え方は生物科学とは相入れない。好奇心の追求としての科学も限界がある。」2022/06/03

Sato

18
「免疫システムを用いたがん療法で画期的手法を開発した」として今年ノーベル医学・生理学賞を受賞された本庶佑さんの本。「オプジーボ」が治験段階の時に書かれた本のようだ。生命科学とは何を目指すべきなのか?がテーマ。本庶氏は生命に対し大変謙虚なお考えで、文章も温かく丁寧。「医師は単に病を治すだけでなく、患者の不安感をいかに取り除き、幸福感を味わうようにするかが使命。また患者も医師の能力と役割には限界があることを理解すべき。」という記述が一番胸に残った。どんなに医学が進化しても人は生老病死から逃れられないのだから。2018/10/20

gtn

12
著者は生命科学の観点から、幸福感や生老病死等人間の根源的な命題にアプローチを試みる。例えば、幸福感は「安らぎと時折の快感刺激の混在」と述べ、哲学的である。科学と宗教哲学は決して矛盾せず、むしろ、科学が哲理を証明する時代が来ていることを著者は示唆している。2018/12/09

はふ

10
人々にとって幸福とは、どのようなものだろうか。前半の部分は主に、幸福について書かれており、後半は専門的な用語も多々あったので、少し理解がむずかしかった。2018/08/02

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