感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ホンドテン
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所有というか親の蔵書、戌年だから。表題通りイヌが人類に寄り添い種として変容していった過程を描いた生物学史文化史エッセイ。顎構造、歯列に着目するなど分類学のイロハに「成る程」と読むが、2章以降、哺乳類の誕生した中生代まで話が遡るビックヒストリーぶりは楽しい脱線だろう。著者はイヌ=オオカミの直系を前提としており、人類との共生過程の記述にも迷いない。その考古学的成果から描かれる初期人類の雑な狩猟に呆然としたが、訳出から30年を過ぎ研究の進展でこの見解が多少とも修正につながることを切に願うばかり。2018/05/30
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- 和書
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