内容説明
自明なものとされている女性の家事労働はいかにして成立したか、まず古い社会の経済における女性の労働と地位、母としての役割の欠如、女性の社会的な力、結婚生活における男性との関係―に焦点をあて、家事労働が資本主義の発展と共に成立、定着してゆく過程を分析する。後半では、家事労働のはらむ問題点を指摘し、人口の過半数を占める女性の生活と労働が考慮されていない経済学のあり様を批判する。西ドイツのフェミニストの野心的な問題提起である。
目次
第1章 資本主義と家事労働の起源
第2章 「シャドウ・ワーク」か家事労働か:労働の現在と未来―イヴァン・イリイチにたいするフェミニストの批判
第3章 資本主義における自然概念と社会概念
第4章 経済学批判の盲点